前回は、子どもたちと楽しんだ絵本についてご紹介しました。
今回ご紹介する絵本には、「素敵な先生」が登場します。私自身もこれらの絵本を通して「保育者 教育者としての在り方」や「明日の保育のヒント」を学ばせてもらいました。
ぜひ、ご覧ください!
おおきなおおきなおいも
鶴巻幼稚園・市村久子の保育実践による
「おおきなおおきなおいも」
赤羽末吉作・絵(福音館創作童話シリーズ)
楽しみにしていた芋掘り遠足は残念ながら雨模様。芋掘りに行けないのなら、大きなおいもを描いちゃおう!描けた大きなお芋は…食べちゃおう!?
こどもは遊びの天才。作って遊ぶの名人で、ひらめきの達人です。
子どもにとって、「遊び」というのは大人が与えるものではなく、子ども自身が生活の中で作り出していくものということに気付かせてくれる絵本です。
いきいきと遊ぶ子どもたちが絵本の主人公。ですが、出てくる保育士もおはなしのキーパーソン。子どもたちに、どんな言葉掛け、環境構成をしているでしょうか?子どもたちの活躍に、どんなリアクションをしているでしょうか?気付きがいっぱいの絵本です。
ダンプえんちょうやっつけた
「ダンプえんちょうやっつけた」
古田足日 田畑精一 作(「絵本 ぼくたち子どもだ」童心社)
わらしこ保育園の個性豊かな子どもたちと、これまた個性的な園長先生が、広い野原で海賊ごっこを始めます。「ダンプえんちょう」は、教えることはしません。
全力で遊びながら、子どものやる気と勇気を掻き立てます。そしてここぞという場面で、子どもを助け、励まし、成長へと導きます。
子どもの前にたつ大人として、子ども心を忘れない。そんな園長先生から、たくさんのことを学べる絵本です。
せんせい
「せんせい」
大場牧夫 文・長新太・絵(福音館書店)
先生って…おすもうさんなんだよ。こどもなんだよ。こぶたなんだよ!?そんな風に無邪気に言う子どもたちが、「せんせい」の周りに集まります!そしてせんせいが子どもたちと同じ目線で遊ぶ様子に、つい笑ってしまいます。何度読んでもつい頬が緩んでしまう挿絵に引き込まれます。
「先生にも、おかあさんがいるんだって」
「先生は、おうちに帰るとおかあさんになるんだって」
大好きだから、見えない部分を知るときに、こんなふうに口にするのでしょう。乳幼児期の子どもにとって、入園して出会う先生は、「生まれて初めて出会う、ぼくの先生」であることがほとんど。「せんせい!」と口に出して呼ぶことも、入園当初はとても緊張するんですよ。思い返すと、「先生」と呼ばれる幸せを、改めて感じます。
ありがとうフォルカーせんせい
「ありがとう フォルカーせんせい」
パトリシア=ポラッコ作絵・香咲弥須子訳(岩崎書店)
読みたいのに、文字が読めない。伝えたいのに、うまく書けない。学習障害の発達特性、その辛さや葛藤に熱心に向き合ってくれたフォルカー先生。先生のおかげで、自身の発達特性と付き合う方法を知ることができた、女の子のお話です。
良いところを認め、生活のしにくい部分に寄り添ってくれた先生がいたから、自分らしさに気づき、生きにくさを受け入れていく姿に、教育とはなにか、教師とは子どもの目にどう映っているのか、考えさせられます。障害特性ではなく、その子自身を見て良さを引き出す保育者でありたいものです。保育の現場のみならず、専門学校の教師をしていても、そう思います。
おわりに
絵本の中に出てきた、魅力的な先生たち。いかがでしたか?保育者への期待が、より一層増したのではないでしょうか?…とはいえ、実際の現場はというと…物語のようにうまくいくことばかりではなかったなあとも、思います。自分はというと…本当に未熟で、足りないところばかりの保育者でした。
「保育は理想だけではできない」そんな辛辣な言葉も、保育者間では耳にします。確かにそうだと思いながらも、しかし、可能性と希望に満ちているこどもの前に立つとき「こどもと一緒に、笑って泣ける、子ども心を忘れない大人でいたい」という理想が現場にいた自分に確かにありました。
保育の道を悩まれている方にとっても、保育の仕事の奥深さと尊さを感じて頂きたい、そう思いご紹介しました。ぜひ、絵本を手に取り読んでいただけると幸いです。保育は奥深い、繊細な仕事です。そしてとってもあたたかい、やりがいのある仕事です。
ぜひ一緒に学びましょう。いつでも相談にいらしてください。