医療分野で働く社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)・地域で働く社会福祉士(コミュニティソーシャルワーカー)とは?!

医療の分野で働く社会福祉士といえば、

医療ソーシャルワーカー(MedicalSocialWorker:MSW)」ですね。

本校の社会福祉士養成科でも、医療ソーシャルワーカーになりたいと志望して入学する方が多くいます。今年卒業した学生でいうと、クラスの3割以上の学生がMSWとして巣立っています。

MSWとなる人が多いのは「医療ソーシャルワーカー」の知名度が高いことや、医療分野に興味があること求人が多いこと、MSW経験者の教員がいること、などが理由なのではないでしょうか。

 

医療ソーシャルワーカーの役割

医療ソーシャルワーカーになるには、社会福祉士の資格があることを条件として採用する病院がほとんどです。これには理由が2つあります。

1つは『診療報酬』といって、病院の収益となる算定に「社会福祉士」資格者がいることが要件となるものが増えたことがあげられます。(入退院支援加算など)

つまり、社会福祉士の資格が病院の収益にも関与するようになったためです。

2つめは、患者さんはさまざまな問題を抱えていること。特に最近は問題を複数抱えている方が多くなっていることです。

たとえば、

・退院後の金銭的な問題

・家族の問題

・就職の問題

・利用できるサービスの問題

など重複した問題を抱える患者さんが増えており、退院後に安心して生活できるために福祉の専門職であるソーシャルワーカーの力が必要となっています。患者さんの退院に向けての連携・調整役として病院には欠かせない職種であるといえるでしょう。

地域福祉で活躍する社会福祉士

社会福祉法では、地域における社会福祉を『地域福祉』と定義しており、授業でも地域福祉を学びます。その地域福祉で、住民とボランティア活動をおこなったり、福祉事業所と一緒に地域の福祉を組織する中核を担っているのが『社会福祉協議会』です。社会福祉協議会でも社会福祉士を採用しており、「コミュニティソーシャルワーカー」や「地域福祉コーディネーター」などと呼ばれています。

コミュニティソーシャルワーカーの役割

地域における社会福祉としてみなさんが身近に感じるのは「災害時」ではないでしょうか。災害が発生すると避難の問題、ライフラインの問題、避難所での問題、被災住宅の片付けなど、あらゆる問題がおきます。

社会福祉協議会は、住民の立場になり災害ボランティアセンターを立ち上げて、地域の福祉の要となって活動をおこなう拠点となります。

そのほか地域によっても、さまざまな問題があります。「老々介護」「ひきこもり」「虐待」「外国人労働者」などの多様な課題があるため、「高齢」「障害」「児童」などの分野ごとに相談センターが設置されています。特に在宅における高齢者の相談機関として『地域包括支援センター』があります。その地域包括支援センターでも、社会福祉士の配置が必要とされてます。

このように地域の問題も多様化している現在、広域で福祉をとらえるコミュニティソーシャルワーカーの需要が増えてきています。

社会福祉士養成科では、7月15日(土)に「地域・医療の分野で働く社会福祉士」としてオンライン講座を予定しています。興味のある方、さらに詳しく聞いてみたいという方はぜひご参加ください。

 

病院で働くMSWについてさらに知りたい方はこちら

この記事を書いた先生

  • 社会福祉士養成科

若尾 尚子先生

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