社会福祉士科2年生では、180時間に及ぶ法定実習を終え、その成果や気づき、自分の思いなど実習で得たことなどをキーワードに盛り込んで発表する、「実習の体験を通してみんなに伝えたいこと発表会」を実施しました。
実習先は、特別擁護論人ホームなどの高齢者分野、就労移行や生活介護等の障碍者分野等で、それぞれデイケアや通所施設、入所施設など形態も様々です。
学生たちの選んだキーワードは、まず利用者さんの思いを受け止める言葉として「表現方法」「自己覚知」「気づき」「関係性」「ストレングス」「Well Being」「あたりまえにやってきたことの我慢」「気持ち言葉」「感情豊か」など、利用者さんとの毎日の関わりの中で学び取った、一人一人がかけがえのない人としての在り方です。
その中でも「健常者とは生きているすべての人のことです」の言葉には、極めて印象的でした。また、最低限の「あたりまえ」のことは「健康と安全」ともありました。
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次に、相談・支援を行う立場としての言葉として、「支援と本人がやることの境界線」「観る」「視点」「記録」「興味を持つ」「偏らない」「絶対に忘れない」「初心・恥を忘れない」「迷い」「ほめる」などがありました。
もちろん、まだまだ経験も少なく、相談・支援者としての取り組み方や利用者さんとの関わり方も十分ではありません。でも、実習の中で、「どう関わればいいのか」「何が重要なのか」「利用者さんやご家族の思いをどのように受け止めればいいのか」などについて、多くのことを学んだようです。
さらに、「担当職員との関係」など、多職種連携やそのための職員間のコミュニケーションの重要性についてもありました。
その他、「24(時間)」「利用者の人権と職員の人権」など、今の福祉施設のおかれている状況についての言葉もありました。
実習中、前日まで元気だった利用者の方が翌日の朝、逝去なさったとの報に触れたことの悲しみを「最期」と表現している学生のおりました。
このように学生たちは、今回の実習を通した多くの体験と学びの中で、それらの思いを的確なキーワードで表現しておりました。
実習自体は各個人の営みです。しかし、今回のように「みんなに伝えたいこと」を出し合うことで、その実習の成果の共有化が図られ、仲間たちの取り組みから学ぶことも多々あったことと思います。実際、その場に居合わせた者の一人として、多くの感動を得ることができました。
学生たちは、確実に人への思いや人との関わり、専門職として必要なことを学びながら、自己実現に向けて着実に歩んでいることが実感できました。