
保育士に興味があるものの、将来性や安定性に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、進路を考えている高校生向けに、保育士の給与水準や働き方、キャリアの見通しについて詳しく紹介します。保育士が自分の将来の生活や仕事に合うかどうか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
保育士は将来性の高い仕事
・共働き世帯増加により需要が高い
・国が保育士の処遇改善を進めている
・AIに代替されにくい職業のひとつ
保育士の給与水準と他職種との比較
保育士は長く働き続けられる仕事
・キャリアアップの道筋が明確にある
・資格を活かせる職場の選択肢が幅広い
・結婚・出産後も戻ってきやすい職種
保育士は今後さらに働きやすくなる職種
・ICT導入で業務負担が減ってきている
・シフト制や時短勤務など柔軟な働き方が広がっている
・給与や処遇面でも改善が続いている
保育士に向いているのはこんな人
・子どもの成長を一緒に喜べる人
・チームで働くことが好きな人
・体を動かすことが苦にならない人
・責任感を持って仕事に取り組める人
保育士になるために高校生が今できること
・まず保育士資格の取得ルートを把握しておく
・オープンキャンパスで実際の学びを体験してみる
保育士になるには専門学校がおすすめ
・実習が充実していて現場力が身につく
・国家資格取得まで手厚くサポートしてもらえる
・就職サポートが充実している
まとめ
保育士は将来性の高い仕事
保育士は、長期的な活躍が期待できる職業の一つです。
なかには保育士資格を取得しても、将来仕事がなくなってしまうのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。たしかに最近は、デジタル化が進んだり、社会情勢が変化したりすることで、今ある職種が失われるといった情報を耳にすることがあります。ここでは、なぜ保育士が将来性の高い仕事といえるのか、理由を詳しく見ていきましょう。
共働き世帯増加により需要が高い
共働き世帯は長年にわたり増加傾向が続いており、今後もその傾向は変わらないと考えられます。(参考:厚生労働省)
つまり、子どもを保育施設に預けて働く家庭が増えているため、保育士へのニーズは高い水準を維持すると考えられます。
実際、保育士への需要の高さは、求人数にも表れています。令和6年7月時点の保育士の有効求人倍率は2.69倍と、全職種平均の1.20倍を大きく上回っています。(参考:こども家庭庁)
少子化が進む一方で、働く保護者を支える保育士への需要は、今後も安定して続くと考えられています。
国が保育士の処遇改善を進めている
保育士への需要が年々増える一方、保育業界では長年にわたり、給与水準の低さが課題とされてきました。その結果、保育士資格を持ちながらも現場を離れてしまう人も多く、担い手不足が続いてきたのです。
このような状況を解決するため、国は2013年度から、保育士の処遇改善(給与アップ)に段階的に取り組んできました。2024年11月には、保育士の人件費が前年度比10.7%も引き上げられるなど、これまでにない規模で改善が進んでいます。
また、2025年度には、複数に分かれていた処遇改善制度が一本化され、より現場の保育士に恩恵が届きやすい仕組みとして整理されました。
AIに代替されにくい職業のひとつ
保育士は、AIに代替されにくい職業の代表格です。近年、AIなど各種IT技術の進化によって、さまざまな仕事が機械に置き換えられていくことが話題となっています。しかし、保育士の仕事の本質は、人との関わりにある点です。
たとえば、子どもの気持ちに寄り添うことや、表情や体調の微妙な変化に気づくことは、AIでは真似できません。連絡帳の作成・シフト管理といった事務作業にAIを活用する未来は訪れるかもしれませんが、保育業務のすべてがAIに奪われる可能性は低いでしょう。AIの活用が進む時代だからこそ、子どもと直接向き合う保育士の価値がより高まるともいえます。
保育士の給与水準と他職種との比較
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、保育士の平均年収は406.8万円です。日本全体の平均年収が478万円である点をふまえると、給与水準が高いとはいえないかもしれません。しかし先述した処遇改善により、今後さらに上昇することが期待されます。
あわせて、保育士と関連性の高い職種とも平均年収を比較してみましょう。
| 保育士 | 406.8万円 |
| 幼稚園教諭 | 412.7万円 |
| 介護福祉士(訪問介護の場合) | 381.2万円 |
| 一般事務 | 529.6万円 |
同じく資格が必要な介護福祉士と比べると、保育士のほうが高い水準にあります。また、幼稚園教諭とはほぼ同等の水準です。一般事務の平均年収が高くなっていますが、これは管理職や、大企業の事務職が含まれているためと考えられます。
なお、定型業務に対応する事務職は、AIへの代替がとくに進みやすい職種の一つとされていることも知っておきましょう。現時点の給与水準だけを理由に進路を選ぶのではなく、長期的な目線を持つことが大切です。
保育士は長く働き続けられる仕事
さて、将来性が高いといっても、そもそも保育士として働き続けることは現実的なのか、疑問に感じる方もいるでしょう。
保育士は資格さえあれば年齢を問わず活躍でき、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を変えられることが特徴です。たしかに世の中には、年齢とともに働きにくくなる職種も存在します。なぜ保育士は将来にわたって働きやすいのか、詳しく見ていきましょう。
キャリアアップの道筋が明確にある
保育士には、明確なキャリアアップの道筋が存在します。一般的には保育士→主任保育士→園長(施設長)といったルートで昇進し、役職が上がれば給与も上がっていくのが特徴です。
| 職種 | 平均月収(賞与の1/12込み) |
| 施設長 | 61.3万円 |
| 主任保育士 | 51.8万円 |
| 保育士 | 35.2万円 |
データ参照:こども家庭庁 私立保育園・公立保育園の平均値
なお、昇進には興味がなく、現場で子どもたちと触れ合いたい方もいるでしょう。そのような場合は専門性を深め、「職務分野別リーダー」「専門リーダー」「副主任保育士」など、得意分野を活かした役職に就く選択肢もあります。昇進という縦のキャリアプランだけではなく、専門性を高める横のキャリアパスが整備されていることも、保育士ならではの特徴です。
資格を活かせる職場の選択肢が幅広い
保育士資格が活かせるのは、保育園や認定こども園だけではありません。児童福祉施設・学童保育・企業内保育所・病院内保育室・児童発達支援事業所など、職場の選択肢は多岐にわたります。そして勤務先の種別によって、仕事内容や勤務時間帯、残業の有無、保育対象の年齢層は異なります。
つまり自分のライフスタイルや得意分野にあわせて、職場を柔軟に選びやすいのです。たとえば、保育園の仕事は自分に向いていないと感じても、同じ資格でまったく異なる環境へ転職することも可能です。このためキャリアが行き詰まりにくいことも、保育士資格の大きな強みといえるでしょう。
結婚・出産後も戻ってきやすい職種
保育現場は慢性的な人手不足が続いており、ブランクがあっても採用されやすい状況が続いています。つまり保育士は、結婚・出産・育児などでいったん現場を離れた後も、現場に復帰しやすい職業なのです。
実際に国や自治体は、保育士資格を保有しているものの、保育施設で働いていない「潜在保育士」の職場復帰を積極的に支援しています。さらに、復帰後の働き方が柔軟なことも特徴です。フルタイムだけでなく、時短勤務やパート勤務の求人も多く、育児と仕事を両立しながら無理なく現場に戻れます。
資格さえあれば自分のペースでキャリアを再スタートできる保育士は、生涯にわたって活躍できる職業だといえるでしょう。
保育士は今後さらに働きやすくなる職種
ここまで保育士の将来性・安定性について見てきましたが、そもそも保育現場は働きやすい環境なのか、気になる方もいるでしょう。たしかに保育現場はかつて、残業が多い、休みが取りづらいといったネガティブなイメージを持たれがちだったことも事実です。
しかし近年、保育士の働き方は大きく変わりつつあり、今後さらに働きやすくなると考えられます。保育士の職場環境がどのように改善されているのか、詳しく見ていきましょう。
ICT導入で業務負担が減ってきている
かつての保育現場では、連絡帳や日誌、指導計画書など、多くの書類を手書きで作成することが当たり前でした。こうした事務作業の多さが、保育士の長時間労働の一因とされ、現在は保育施設へのICT導入が積極的に進められています。
たとえば、こども家庭庁は「保育所等におけるICT化推進等事業」と称した補助事業を展開しており、多くの施設で登降園管理・連絡帳・保育記録などのデジタル化が進んでいます。このような取り組みにより、保育士が本来の仕事である「子どもと向き合うこと」に集中しやすくなっているのです。保育士を目指す今の高校生が現場に出る頃には、さらに働きやすい環境が整っているでしょう。
シフト制や時短勤務など柔軟な働き方が広がっている
近年はフルタイムの正社員だけではなく、時短勤務やパート勤務の保育士求人が増加しています。そのため以前より、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選びやすくなっていることもポイントです。
たとえば育児中で短い時間しか働けない場合は、パート勤務として現場に復帰できます。体力的にフルタイム勤務が難しいなら、時短勤務で働ける施設へ応募するといいでしょう。また、シフト制の施設であえて休日保育を担当し、平日に休むことも可能です。このような柔軟な働き方が広がっていることは、保育士という仕事を長く続けていく上で、大きな安心材料になるでしょう。
給与や処遇面でも改善が続いている
国による処遇改善の取り組みにより、保育士の給与が年々上昇していることも、保育士として働くメリットの一つです。前述したとおり、10年以上前から継続的に、保育士の給与・処遇面が改善されています。
この流れは今後も続く予定であるため、給与面での不安を理由に保育士を諦める必要はないでしょう。今の高校生が保育士になる頃には、さらに給与水準が上がり、安心して働ける環境が整っている可能性が高いです。保育士の給与が低いというイメージは、すでに過去のものになりつつあるため、周囲からネガティブな意見を聞いても、過度に心配する必要はありません。
保育士に向いているのはこんな人
保育士になりたいと考えているものの、自分に務まるのか心配な方もいるでしょう。ここからは、どのような人が保育士に向いているのか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
子どもの成長を一緒に喜べる人
保育士の仕事の醍醐味は、やはり子どもの成長を間近で見守れることです。入園したばかりは何もできなかった子どもたちが、徐々に成長し、さまざまなことを自分でできるようになる姿に毎日立ち会えるのは、保育士ならではの魅力といえます。このような子どもの成長を、本人や両親と一緒に喜べる人は、保育士に向いているでしょう。
また、卒園した子どもが小学生・中学生になった姿を見ることに、やりがいを感じる方も多いです。成長した教え子と会った際、保育園時代の思い出などを聞くのは、保育士だけが味わえる喜びです。
チームで働くことが好きな人
保育の現場では、さまざまな人が協力して子どもたちを守ります。クラス担任同士はもちろん、主任保育士、園長、さらには保護者とも連携しながら、チームで子どもたちの成長をサポートしていくことが特徴です。
このような業務背景を考えると、チームで働くことが好きな人も、保育士に向いているといえるでしょう。実際、周りの保育士から頼られたときや、保護者と信頼関係を築けたときに、やりがいを感じる方も多いです。コミュニケーションを大切にしながら働きたいと考えている方は、ぜひ保育士を目指してみてください。
体を動かすことが苦にならない人
保育士は子どもたちと一緒に走り回ったり、外遊びに付き合ったり、抱っこをしたり、体を使う場面が多い仕事です。そのためデスクワーク中心の職業より、体を動かす仕事に就きたい方も、保育士に向いているでしょう。
ただし、過酷な肉体労働があるわけではないため、体力に少し自信がない方も心配する必要はありません。体力は働きながら自然と身についていくため、スポーツ経験などがない方も安心してください。大切なのは、子どもたちと一緒に体を動かすことを楽しめるマインドです。
責任感を持って仕事に取り組める人
保育士は、子どもの命を預かる仕事です。食事・睡眠・外遊びなど、あらゆる場面で子どもの安全を守らなければなりません。そのため責任感を持って仕事に取り組める人は、保育士に向いているといえます。
なお、「責任感」と聞くと、プレッシャーを感じる方もいるかもしれません。しかし保育士に限らず、どのような仕事にも責任は発生します。そして、子どもたちの笑顔や成長を感じられる保育士の仕事には、責任の重さ以上のやりがいがあります。保育のプロとして、責任をもって子どもたちの成長を支えたいと思う方は、ぜひ保育士を目指してみてください。
保育士になるために高校生が今できること
さて、保育士になるためには、高校卒業後に「保育士資格」を取得しなければなりません。ここからは、どのようなルートで資格を取得できるのか、高校生の間にやっておくといいことを紹介します。卒業後の進路に直結する内容もあるため、ぜひ参考にしてみてください。
まず保育士資格の取得ルートを把握しておく
保育士資格を取るルートは、次の2パターンです。
●厚生労働大臣が指定する指定保育士養成施設(専門学校・短大・4年制大学)を卒業する
●年2回実施される保育士試験を受験し、合格する(短大卒業程度の受験資格あり)
指定保育士養成施設には、大学(4年制)・短大(2年制)・専門学校(2年制か3年制)などの種類があり、いずれも卒業すれば無試験で保育士資格を取得できます。つまり最短で保育士になりたい場合は、2年制の専門学校か短大へ進学するのがおすすめです。一方、4年制大学へ進学すれば、より高度な専門知識を、時間をかけて学べます。
また、独学で保育士試験への合格を目指す方法もありますが、試験の合格率は例年約20〜30%で推移しており、決して簡単ではありません。そのため保育士になりたい意思が固まっているなら、高校卒業後に養成施設へ進学したほうがいいでしょう。
オープンキャンパスで実際の学びを体験してみる
保育士を目指せる指定保育士養成施設は、各地域にいくつか存在します。そのため、どの学校へ進学すればいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。パンフレットやWebサイトで情報収集することも大切ですが、学校の雰囲気・施設の充実度を確かめるためにも、ぜひ高校生の間にオープンキャンパスへ参加してみてください。
オープンキャンパスでは、模擬授業や施設見学のほか、在校生に直接話を聞ける機会があることも多いです。なぜその学校を選んだのか先輩に直接聞けば、パンフレットには載っていないリアルな情報を得られるかもしれません。
埼玉福祉保育医療製菓調理専門学校でも定期的にオープンキャンパスや体験授業を開催しているので、ぜひお気軽にご参加ください。友達や保護者の方と一緒に参加いただくことも可能です。
保育士になるには専門学校がおすすめ
保育士資格を取得するルートはいくつか存在しますが、もっともおすすめなのは「専門学校」へ進学することです。なぜ保育士になりたい高校生に専門学校がおすすめなのか、詳しく解説します。
実習が充実していて現場力が身につく
専門学校のカリキュラムは、保育士になるために必要な知識・技術に特化しています。4年制大学のように保育現場と直接関係のない一般教養科目に時間を割くことなく、ピアノ・図工・保育者論・乳児保育・子どもの食と栄養など、現場で直接役立つ科目を集中して学べることが特徴です。保育士になる目標が明確な場合は、遠回りせずに必要なスキルを身につけられる専門学校へ進学するといいでしょう。
国家資格取得まで手厚くサポートしてもらえる
指定保育士養成施設を卒業すれば、無試験で保育士資格を取得できます。ただし卒業するためには、「保育士養成課程」に基づいて単位を取得する必要があり、決して簡単に資格を取得できるわけではありません。
しかし専門学校では、国家資格を取得するまで手厚くサポートしてもらえます。座学、ピアノのレッスン、保育園実習などを通じて、保育士としてのスキルを着実に高められることは、大きなメリットといえるでしょう。
就職サポートが充実している
保育士資格の取得サポートだけではなく、就職サポートが充実していることも、専門学校へ進学するメリットの一つです。とくに保育業界とのつながりが深い専門学校には、求人情報が数多く提供されており、面接対策・履歴書の添削などの就職活動に必要なこともトータルサポートしてもらえます。中には就職率100%を誇る専門学校もあるため、ぜひ各校の実績を比較してみてください。
まとめ
共働き世帯の増加に伴い、少子化が進む現在においても、保育士の需要に人手が追いついていません。そのため国は処遇改善を進めており、今後さらに給与水準が上がっていくと考えられます。また、AI活用やDXが進んだとしても、子どもと直接触れ合う必要のある保育士の仕事はなくならないでしょう。
このような背景をふまえると、保育士は将来性のある仕事だといえます。また、キャリアアップの道筋が明確で、なおかつ結婚・出産後に戻ってきやすい職種であることも、保育士の魅力です。少しでも保育士に興味のある方は、ぜひ当校のオープンキャンパスへお越しください。保育園での実習に参加いただくことも可能です。
