介護福祉⼠の仕事内容について


今回は介護福祉士の仕事についてのお話します。

INDEX
■介護福祉士の仕事・資格
~介護介護福祉士をめざす方へのメッセージ~
■養成校にて学び、身につけ、実践した方がよいこと
■介護の仕事は活躍できる場がたくさんある

****************この記事を書いた人****************

介護福祉士 窪田 浩之先生
【経歴】
福祉系短大を卒業後、平成8年に富士見市社会福祉事業団に介護職員として入職。特別養護老人ホームにてご利用者の生活支援に従事した後、生活相談員兼副施設長として相談援助業務件管理職、平成23年4月に同施設の施設長に就任し施設の経営、運営に携わる。
令和2年3月に同法人を退職し、三芳町にある社会福祉法人美咲会に入職。特別養護老人ホームの介護係長兼介護支援専門員として勤務。現在は三芳町から委託されている三芳町認知症サポートセンターセンター長として認知症の方が安心して暮らせる町づくりに従事。
また、外部活動として介護福祉士養成校での非常勤講師や埼玉県介護福祉士会組織強化委員として介護福祉士教育や育成に携わっている。
【資格】
介護福祉士 介護支援専門員 介護教員講習会修了
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介護福祉士の仕事・資格 ~介護福祉士を目指す皆さんへ~

介護福祉士は、病気や障がい、高齢化により日常生活になんらか支障があり生きづらくなっている人々の生活に直接的な影響を与え、社会にとって不可欠な役割を果たします。介護福祉士は、専門知識と技術を身につけることはもちろん、人としての成長を促し、深い人間理解を培う機会でもあります。

介護福祉士という資格は、高齢者や障がいのある方の生活を支援する専門職です。介護の現場では自らが学んで得た知識、経験を活かし、入浴や食事介助、排泄介助などの身体介護だけでなく認知症の方への介護、精神面のサポート、生活相談など幅広い業務を行います。

近年、高齢化社会の進展により、介護福祉士のニーズはますます高まっており、やりがいのある仕事として注目されています。

職能団体である日本介護福祉士会では「求められる介護福祉士像」として次の事項を提唱しています。

1.尊厳と自立を支えるケアを実践する
2.専門職として自律的に介護過程の展開ができる
3.身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
4.介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
5.QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる。
6.地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
7.関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
8.本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
9.制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
10.介護職の中で中核的な役割を担う。とともに

これらを実践する上でもっとも必要とされる「高い倫理性の保持」を求められる介護福祉士像としています。(引用:日本介護福祉士会 求められる介護福祉士像)

では、今後どのようなことを養成校にて学び身につけ実践していけばよいのでしょうかを次のようにまとめてみました。

養成校にて学び、身につけ、実践した方がよいこと

1.専門知識の習得
介護福祉士としての基礎となるのは、専門知識の習得です。介護に関する法律、医療や福祉の基本、そして何よりも人間としての尊厳を理解することが求められます。これらの知識は、日々のケアにおいて、利用者様一人ひとりに合ったサポートを提供するための土台となります。

2.専門的な技術の習得
様々な病気や障害を抱え、生活に支障のあるご利用者を支えるためには、ご利用者の身体的な状態、精神的な状態に合わせ、その方に適した、またはその日の状態に合わせた介助が必要になります。または、ご利用者の残存機能を活かした支援も必要となります。そのためには、人の生理現象や筋肉や骨の動き、体の重心、てこの原理などを活用した専門的な技術が必要となります。これら理解し技術を習得することで、ご利用者と自身の負担を軽減しよりよい生活と支援を提供することができます。

3.コミュニケーション能力の向上
利用者様やその家族、他の医療・福祉関係者との円滑なコミュニケーションは、質の高いケアを実現するために不可欠です。感情を察知し、適切な言葉を選び、効果的に伝える能力を磨くことで、信頼関係を築き、より良いケアを提供することができます

4.心のケア
介護は肉体的な支援だけでなく、心のケアも重要です。利用者様の声なき心の声に耳を傾け、その人らしい生活を支援することで、精神的な満足感を提供することができます。また、自分自身の心のケアも忘れずにしましょう。ストレスや疲労が蓄積すると、自身が提供するケアの質に影響を及ぼす可能性があります。

5.倫理観の養成
介護福祉士として、倫理観を持つことは非常に重要です。利用者様のプライバシーを守り、公正な態度で接することで、尊厳あるケアを提供することができます。また、時には難しい決断を迫られることもありますが、倫理的な判断が求められる瞬間です。

6.実践経験の積み重ね
知識を学ぶだけでなく、実際に現場で経験を積むことが大切です。実習やボランティア活動を通じて、実際のケアの現場を体験し、多様な状況に対応する力を養いましょう。

介護の仕事は活躍できる場がたくさんある

ここからは、私の話になります。私は介護の仕事に就いて20年以上になります。現在は、認知症サポートセンターという地域を支援する仕事をしていますが、これまで介護にかかわる多くの仕事をしてきました。

私は、福祉系の短大を卒業した後、無資格で介護の仕事に就きました。介護の現場でご利用者の生活支援を行い、介護福祉士を取得し、仕事を通して多くのご利用者やご家族と触れ合い、色々な方の人生史(その方がこれまで生きてきた人生の歴史)を学ばせていただきました。人生色々と言いますが、本当に一人ひとり人生は異なります。中にはドラマのような人生を送られてきた方もいらっしゃいました。ご利用者から沢山の笑顔や元気をいただくとともに、人生最期のお看取りもさせていただきました。もし介護の仕事に就かなければ、他人の人生を知る機会などなかったと思います。出会った方々に学ばせていただいたことは今の仕事のキャリアだけでなく自分の人生にも多くの影響を与えてくれています

私は、介護現場で経験や知識を積み重ね、生活相談員や介護支援専門員など相談支援の職も経験しました。相談支援の仕事はご利用者やご家族だけでなく行政や他の専門職と関わることでなど法律や制度、医療やリハビリ等の知識など自分が知らなかった他の専門職の知識を学ぶことができ、今の仕事でも大いに役にたっています。

その他、仕事を続けていく中で、管理職として施設の経営、運営などの介護の仕事以外のことも経験しました。施設の経営や運営は働く職員、生活しているご利用者の人生に関わるとても責任のある仕事でしたがその分やりがいも多くありました。

介護の仕事を通して様々な世代や職種の仲間ができました。仲間たちとの出会いは自分の財産であり、その人たちがいたからこそ、辛いことや悲しいこと困ったことがあっても乗り越えられたと思います。

また、介護の仕事以外でも養成校の非常勤講師として介護福祉士の教育にも携わっています。授業を通して学生が一歩一歩成長する姿を見るのは本当に嬉しいかぎりです。

一言で「介護の仕事」と言っても経験や知識を積み重ねることで、様々な介護に関係する仕事に就くこともできます。専門職として介護の道を極める、介護支援専門員などの相談援助職になる、施設や事業所の管理職や指導職、経営者になり自分の理想とする事業を展開する、教員や講師になり教育者になり後進を育成するなど、このように、介護の仕事は活躍する場、自分の可能性にチャレンジする機会が多くある職業です。もちろんこれは留学生の皆さんも同じです。最近では外国人の施設長や主任リーダーなども珍しくありません。日本でまたは母国で活躍できる可能性があります。

介護福祉士としての道は、時には困難ですが、その一歩一歩が多くの人々の笑顔と幸せにつながっています。あなたの情熱と努力が、この社会をより良いものに変えていく力となるでしょう。この責任ある旅を心から楽しんでください。

皆さんの成功を心から願っています。

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