保育士資格取得の道のり  国家試験と通学の違い

方法は2つ 国会試験合格か、養成校卒業か

「保育士」は名称独占資格であり、国家資格を有するものでないとその職名を名乗ることはできません。保育士資格があることで、社会的な信用、有資格ゆえの信頼関係が確かに築かれます。

保育士資格を取得する方法は2つあり、ひとつは国家試験に合格すること。もうひとつは、本校のように国の指定している保育士養成施設を卒業することです。

国家試験という狭き門

保育士の国家試験は年に2回、春と秋に行われます。以前は年間1回のチャンスでしたが、保育業界が専門性のある有資格者を現場に多く欲して増回されました。試験は二部編成で行われ、一次試験は「筆記」9科目。

  1. 保育原理
  2. 教育原理及び社会的養護
  3. 子ども家庭福祉
  4. 社会福祉
  5. 保育の心理学
  6. 子どもの保健
  7. 子どもの食と栄養
  8. 保育実習理論

※教育原理及び社会的養護はそれぞれの評定となるため実質9科目です)

上記全ての科目に合格、つまり全て60点以上でないと二次試験へ進めません。

二次試験は実技試験となり、

・造形

・音楽

・言語

3つから1科目を選びます。

この時点で、「保育現場で実技力を活かした保育実践」を自身なりにイメージしていることが前提。

例えば、言語の課題は「3歳児対象に十五分程度の素話を実施する」というものです。これは、集団の前で立ち居振る舞うイメージや年齢による発達段階の理解、注目を誘う保育技術など、ただ知識があるだけでなく、現場の子どもの姿が見えているかが合否を分ける、高度な試験です。

このように、国家試験はかなりボリュームがあり、合格率はシビアです。保育士試験の合格率は近年20%前後で推移。令和4年度の合格率は29.9%(受験者数79,378人、合格者数23,758人)でした。

(参考:「保育士試験の実施状況 厚生労働省」)

国家試験を乗り越え資格を取得された方の長期間の勉強、計り知れない努力を感じます!

専門学校で過ごす2年間の先に待っているもの

一方、「2年間学校へ通い単位を取得することで卒業と同時に国家資格を手にする」専門学校。こういうと、学びや経験から得られる知識量に疑問を抱かれかねませんが、専門学校には専門学校の良さがあります。

専門家による指導・講義

上述した国試9科目は、専門学校の2年間で履修するもので、それぞれ15回にわたってじっくりと学びます。定期試験ではクリアな試験範囲やルーブリックが提示されるため、不安もそこまでないでしょう。また、本校では業界との連携により、現場で活躍する先生方が講義を担います。

 「総合福祉技術 手話」

なぜ保育士に手話が必要でしょうか?誰のことも不安にさせない技術が、誰かの心を守るからです。

「障害ゼミ」

どんな子どももありのままの自分でいれる場所を!インクルーシブを追求した施設のデザインに挑戦。ゼミ生8名と担当講師が「全てのこども」に誠実に向き合い、本気の研究が続いています。

「保育内容総論」

子どもを楽しませるなら、保育者自身が楽しくなくては!そのためには、楽しめるだけのレベルにならなくては。笑顔の裏に、書類策定、教材制作、保育技術の特訓がありました。

厚労省の定めた保育実習の経験

「実習は辛い」「寝る間も惜しんで日誌を書いた」という声は珍しくありません。私も…今でも10年以上前のあの実習日誌は辛かったと思い出します。

その努力の結晶は今や宝物です。就職後、どんな教科書より読み返したのが、実習日誌に刻まれた考察と、指導教諭からの指導コメントでした。

確かに大変でしたが、机上の理論と現場の実践がつながった感動、1日担任として保育運営を担った日に味わった緊張と達成感は、今でも忘れられません。そして連続して通うからこそ築ける信頼関係-実習の財産は自宅学習では得られません。

就職する前に、定期的に現場実習があることで、保育観が磨かれ、確かなものになっていきます。実習前後指導の充実、実習先を巡回訪問しサポートする学科教員がいることも、安心のひとつです。

授業内容も、現場を目指した実践的なカリキュラムを工夫しています。

多様な仲間と過ごす「キャンパスライフ」!

やはりなんと言っても、そこに仲間がいる学校生活を送る場所!喜びも辛さも葛藤も、一緒に分け合える仲間がいる!寄り添ってくれる先生がいる場所です。

高校からの新卒学生も、子育て真っ最中のママ学生も、新しい夢を抱いて入学された比較的年上の方もいる、なかなかに幅広い年齢層で構成されたクラスですが、目標はみんな一緒。「保育士資格を取得する」!だから、クラスみんなで声を合わせて歌い、一緒に劇をし、泣いたり笑ったりしながら、過ごしています。

卒業おめでとう!いつか現場で困ったり、迷ったときにも、帰ってこれる場所でありたいと思っています。

目的は「こどもの最善の利益の実現」

国家試験を合格する方法であっても、専門学校に通い資格を取得する方法であっても、「保育士資格」には変わりありませんから、変わらないエールを送ります。

そして、この資格が「子どもの最善の利益」のためのものであることも揺るぎません。

ア 保 育 所 は 、 児 童 福 祉 法 ( 昭 和 22年 法 律 第 164号 ) 第 39条 の 規 定 に 基 づ き 、 保 育 を 必 要 と す る
子 ど も の 保 育 を 行 い 、 そ の 健 全 な 心 身 の 発 達 を 図 る こ と を 目 的 と す る 児 童 福 祉 施 設 で あ り 、 入
所 す る 子 ど も の 最 善 の 利 益 を 考 慮 し 、 そ の 福 祉 を 積 極 的 に 増 進 す る こ と に 最 も ふ さ わ し い 生 活
の 場 で な け れ ば な ら な い 。


イ 保 育 所 は 、 そ の 目 的 を 達 成 す る た め に 、 保 育 に 関 す る 専 門 性 を 有 す る 職 員 が 、 家 庭 と の 緊 密
な 連 携 の 下 に 、 子 ど も の 状 況 や 発 達 過 程 を 踏 ま え 、 保 育 所 に お け る 環 境 を 通 し て 、 養 護 及 び 教
育 を 一 体 的 に 行 う こ と を 特 性 と し て い る 。

(保育所保育指針 「第一章 総則」より引用)

子どものために働きたいというあなたの夢が叶いますように!あなたに合う資格取得の道を選んでください。

この記事を書いた先生

  • 保育士科
  • 保育士科 夜間主コース

上條 友葉先生

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