言語聴覚士はやめたほうがいい!?医療・リハビリの仕事が気になる方へ

このブログを読んでくださっている皆さんは、「言語聴覚士」という仕事に興味を持ってくれていますね。

しかし、実際にどういうことをする職業なのか、わからない方も多いんじゃないかなと思います。

実際にインターネットで「言語聴覚士」を調べると、その後につながる言葉は、結構ネガティブな言葉が乱立しています。「つらい」とか「大変」とか・・・もちろん、「簡単」に取得できる資格ではありません。

しかし私は「言語聴覚士」はとてもやりがいがある、楽しい仕事だと思います。もちろん大変なこともあります。長くやっていれば楽しいことばかりではありません。それはどんな職業でも一緒です。でもそれを乗り越えた時、とてもなく充実した気持ちになります。

今回は皆さんが考えているであろう「言語聴覚士って大変なの?」に答えたいと思います。

言語聴覚士の役割

私たちは普段、あまりにも自然に行っていることなので気づかないことも多いのですが、お互いの気持ちや考えを伝え合い、経験や知識を共有するために「ことば」を使っています。健康を維持するために「食事」をとっています。

ことばによるコミュニケーションは、単純な話しことばや発音だけではなく、聴くことや考えることなどにも関係しています。もし、その普通に持っている機能が「突然消えてしまったら」「生まれつきその能力がなかったら」と考えたら、どうしていいかわからなくなりますよね。

もっと深く考えると明日いきなり、「よく食べている大好きな食べ物や飲み物が飲み込めなくなったら・・・」と考えたらどう感じるでしょうか?

言語聴覚士はそれらの特徴を持つ方々と多く関わる仕事だと思ってくださればいいかもしれません。私たちは病気や交通事故、発達上の問題などで、これらの機能が損なわれることがあります。

言語聴覚士はことばによるコミュニケーションや、嚥下(簡単に言えば食べ物を食べたり飲んだりすること)などに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する職業です。

 

言語聴覚士の仕事

ことばによるコミュニケーション、摂食・嚥下の問題は脳卒中後の失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など、小児から高齢者まで幅広く現れます。それらの問題の本質やメカニズムをはっきりさせ、対処法を見つけるために検査・評価を行い、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。

嚥下の訓練はうまくできないと肺炎を起こすなど生死に直結することがあり、専門的な対応が必要になります。患者さんの多くは、突然コミュニケーションや、ものを食べる能力が失われたことを受け入れられないこと、訓練を拒否したり消極的になったりする場合があります。

リハビリを行うために、患者さんと信頼関係を築くことも必要です。

このように言語聴覚士は医療機関、保健・福祉機関、教育機関など幅広い領域で活動し、コミュニケーション、嚥下機能の面から豊かな生活が送れるよう、ことばや聴こえなどに問題をもつ方とご家族を支援します。

 

言語聴覚士の働く環境

このような活動は医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医療専門職、ケースワーカー・介護福祉士・保育士・社会福祉士・介護支援専門員などの保健・福祉専門職教師心理専門職などと連携し、チームの一員として行います。連携が大変重要なため、忙しい中でも患者さんの状態を的確に伝え情報を共有することが重要です。

リハビリはすぐに結果が出ないことも多々あります。一般的には、ある程度長期的な計画を立てて行い、患者さんへの訓練を通じて徐々に出てくる変化を正確につかみ、それを先につなげていくことが大切だと思います。また短い期間であったなら、劇的な変化を実感することは少ないかもしれません。自分の思いが空回りするのを感じたり、手応えを感じられなかったり、「どうにかしたい」という思いが強くなるほど、むなしさを感じることもあるかもしれません。症状や状態に意識が強く向きすぎると結果ばかりが気になることもあるでしょう。他のリハビリ職と比べたりすると、明らかな改善がみられにくいということもあるかもしれません。

 

言語聴覚士が大切にしたいこと

現場では、患者さんとの信頼関係の構築や、新しい知識を常に習得すること、技術やコミュニケーション能力の向上が求められます。

今増加している教育現場など、子どもを対象とする現場では、専門的な知識を持っているだけでは対応できないことも多くあります。

子どもとの接し方、態度の変化、心理状態をしっかりと把握できないと、訓練をしようと思ってもできない状況になることもあります。大人と同じように効果や結果がすぐに出ないことも多く、専門の知識・技術が必要であり、その専門領域を極めるには時間がかかります。

仕事をしていると、「本当にこの仕事を続けていくべきだろうか」、「やりがいは本当にあるだろうか」など、つらいこと・大変なことと感じてしまいがちです。しかし、重要なのは将来につなげていくことで、現状を冷静に分析し根気よく続けていくことが大だと思います。

少し考えてみてください。「コミュニケーション」と「食べる」ことは、人間にとって最も必要なことの一つです。できるかできないかで生活する意味は大きく変わると思いませんか?そのお手伝いができる言語聴覚士の仕事は魅力があると思いませんか?

 

おわりに

ここまで読んでいただいて「つらい」「厳しい」とだけ感じてしまった方がいらっしゃるかも知れません。しかし、障害をお持ちの方やご家族と直接かかわることで感じられるのは、回復を心から喜ぶことができるということです。それまでリハビリを共にしてきた「盟友」と、その喜びを感じることができるのは、何にも代えがたいことだと思います。この体験を多く得るには、「国家資格である言語聴覚士をとれば大丈夫!」というわけでもありません。

どんな仕事でも同じだと思いますが、正直資格を取ってからが「始まり」といえるでしょう。就職してからは、現場で学ぶことやリハビリを共にする「盟友」から学ぶことの方がずっと多いと思います。働きながらも勉強することは必要だと思います。医師をはじめとする、さまざまな分野の人とも関わるため、常に勉強を続けていくことも重要です。

まだまだ、言語聴覚士の知名度は低いかもしれません。興味を持ったことを学べる学校で、知識を深める努力をしないことはもったいないです。むしろ「学ばない」選択をすることこそ「大変だ」と思ってくれればいいかなと思います。ぶための努力に対しての協力を、我々埼玉福祉保育医療専門学校言語聴覚士科スタッフは惜しみません。しっかり向き合います。

教員の経験談を聞いてみたい!という方はオープンキャンパスで待っています。

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