『調理師』と名乗るには調理師の免許が必要になります。
調理師というワードは多くの方が耳したことがあると思いますが、詳しいことはよくわからないという方のために、こちらの記事でご紹介します。
【INDEX】
■調理師免許の必要性
■調理師資格を取得するには?
■調理師免許取得の難易度はどのくらい?
■調理師の仕事内容は?
■独学で資格取得するメリット、デメリットは?
****************この記事を書いた人****************
調理師 栁澤茜先生
【経歴】東京、埼玉のフレンチレストラン、フランスのレストランを経て埼玉福祉保育医療製菓調理専門学校へ入職し、実習授業を担当。
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料理をするの好きで、何か手に職をつけたい!と思っている方の中でまず頭に浮かぶのは、「調理師免許」ではないでしょうか?
かくいう私も単純に「料理が好き!」という事で調理師になった一人です。
私はずっと調理に関わる仕事をしていますが、実は10年以上調理師免許無しで働いていました。
「え?大丈夫なの?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実は調理の仕事は免許無しでも働くことができます。しかし、『調理師』と名乗るには調理師の免許が必要になります。
調理師を名乗って仕事をするためには、調理師免許(国家資格)が必要です。
調理師免許の必要性
調理技術はもちろん、食品や栄養、衛生等に関する知識を有し、おいしくて安全なものを提供できる人材であることを証明する資格が調理師です。
調理師免許が無くても調理の業務に携わることはできますが、飲食店では必ず『食品衛生責任者』を設置する必要があります。この『食品衛生責任者』は、通常は講習会を受講して取得するものですが、調理師免許を持っていれば、講習会を受講することなく、申請のみで取得することができます。
飲食業界への就職では、給食施設や調理師専門学校教員等、調理師免許を必須とする職場も多く、給料にも差が出たりと、調理師免許を持っていると有利になる傾向にあります。
他にも調理師免許の上位資格である「専門調理師」「専門技能士」、「ふぐ調理師」等は、調理師免許を持っていないと取得できません。
調理師資格を取得するには?
調理師の資格を取得するためには、2つのルートがあります。
独学で調理師試験に合格し、免許を申請・取得する方法
中学校卒業以上の学力がある方で、飲食店や給食施設等で2年以上の調理業務経験(※1)を経た方が、各都道府県の実施する調理師試験(※2)を受けることができます。合格後、住所地の都道府県知事に免許を申請し、調理師免許を取得します。
※1 実務経験:飲食店営業・魚介類販売業・そうざい製造業または学校給食(学校・病院等で継続して1回20食以上または1日50食以上供与するもの)において、出願日までに調理の業務に2年以上従事した者。パート・アルバイト等非常勤の場合、週に4日以上かつ1日6時間以上の勤務に2年以上従事(複数の勤務先の合算も可)していること。
※2 調理師試験:調理師試験は「食文化概論」「衛生法規」「公衆衛生学」「栄養学」「食品学」「食品衛生学」「調理理論」の7科目が出題され、全部で60問、4択のマークシート式です。
調理師養成施設を卒業し、免許を申請・取得する方法
厚生労働大臣が指定する調理師養成施設で学び、卒業後に住所地の都道府県知事に免許を申請し、取得することができます。この場合は実務経験の必要はなく、調理師試験も免除されます。
調理師試験の難易度はどのくらい?
調理師試験の合格率は、毎年60%~70%前後で推移しており、比較的合格率は高い部類に入ると言えます。 試験は都道府県ごとに実施されますので、合格率や難易度も都道府県ごとで差がありますが、たとえ不合格であっても他の都道府県で受験することも可能です。
過去問や問題集もたくさん販売されていますので、独学で資格取得を目指す場合は計画的に繰り返し問題集等を勉強することが大切です。 自分自身で勉強の時間を確保し、問題集等を繰り返し解き、分からないところを参考書で確認していきましょう。
調理師の仕事とは?
調理師は「名称独占資格」であるため、調理師免許取得者以外は調理師を名乗って仕事をすることはできません。
調理師の仕事は料理を作ることはもちろん、食材の仕入れや新メニューの考案、衛生管理など、多岐にわたります。また、「料理」と一言で言っても、仕込みから調理、盛り付けまで、さまざまな技術が求められる職業です。
調理師の主な勤務先
調理師の主な勤務先はレストランやカフェなど飲食店の厨房やホテル・結婚式場等の厨房、学校や会社の食堂、病院や福祉施設の調理担当、給食センターなどがあります。
飲食店ひとつを取っても、日本料理や西洋料理、中華料理などジャンルも多岐にわたり、また店舗の形態も高級レストランや個人経営の料亭、大手チェーン店など、多種多様です。
独学で資格取得するメリットとデメリットは?
独学で調理師試験の合格を目指すことは可能ですが、メリットとデメリットも存在します。
〈メリット〉
・自分のペースで勉強することができる。
・調理師学校に通うよりも費用を抑えられる。
〈デメリット〉
・調理師試験の範囲は広く、専門的な内容も多いので、理解が難しい箇所も出てくる可能性がある。
・実務経験が必要。調理師試験を受けるには、2年以上の実務経験も必要。実務経験がないと受験資格が得られないため、時間がかかる。
・多くの方が仕事と並行して一人で勉強するので、モチベーションを保つのが大変。
調理師免許を独学で取得することは可能ですが、科目の広範な範囲と専門的な内容を理解するためには工夫が必要になると思います。
私も独学で調理師免許を取得しましたが、仕事も忙しく、毎日睡魔と戦っていたことを覚えています。それでも、絶対に調理師免許に合格するぞ!強い意志をもって勉強を続けることができました。
勉強を進める際には、自分のペースを守りつつ、効率的に知識を身につける方法を見つけてくださいね。
今回は、調理師免許の取得方法についてご紹介しました。
私は調理師免許を取得できたおかげで、今こうして調理師専門学校で教員として働くことができています。料理を作って、みなさんに喜んでいただける、それを仕事にできるなんて本当に幸せだなと思っています。
調理師の資格は一生ものです。
一度調理師免許取得すれば、更新なし一生資格を持ち続けることができます。
調理師免許に興味がある方、ぜひ一緒に調理師を目指しましょう!