QOLとは:福祉の視点で

「QOL」。お聞きになったこともあるでしょう。「Quality of Life」の略で、日本語では「生活の質」と訳されています。もっと突き詰めると、一人一人の生活や人生の内容、その質のことで、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、生きる喜びや楽しみを見出しているかの尺度として捉えられます。

介護についてもQOLの向上が重要であり、常に利用者の皆さまの視点で、その日常生活の充実や喜びを感じていただくことが必要となります。

介護福祉士科1年生の授業で、QOLの中心となる「食事の介助」について扱っておりました。

 

食べ物を十分に噛み砕くことができない(咀嚼ができない)方のために、通常食をきざみ食にしたり、ペースト状のミキサー食にしたりするような工夫によって、単に栄養摂取だけではなく、食事自体を楽しいものとすることが求められます。もちろん、ペースト状の食事に関しても元の形態を知っていただくことで、毎回の食事がより楽しく充実したものとなります。

 

市販されている様々な介護食の様子を知るとともに、実際にお茶にとろみをつけて味わってみました。お茶の風味を損なわず。なおかつ誤嚥がないようにするのにはどうすればいいのか。

学生たちは「これじゃお茶の風味がない」「これは色がちょっと」など、利用者の皆さまの視点に立った体験をしておりました。

 

もう一方の介護福祉士科1年生では、「ICF(生活機能分類)」についての授業が行われておりました。

これは、生活機能の3つのレベルを ①心身機能・構造、②活動、③参加 とし、それぞれを総合的に捉えることと言われます。その生活機能の要因として、個人の年齢や性別、価値観などの「個人因子」とともに、物的・人的・社会的環境である「環境因子」の2つを背景因子として捉えることが重要とされております。

「環境因子とは?」、「あなたの個人因子は?」など、みんなで考えあいながら、授業が進められておりました。

 

高齢の方や障害のある方に対して、個人因子を理解したうえで、環境因子を整えることが、福祉として大切な視点です。

介護を含む福祉の大きな目的は、人としての生きがいであったり、人との関わりであったり、人としての生活の維持と言えます。そのために必要不可欠な知識として、QOLの向上やICFの視点が重要となります。

学生にとって、今回の授業では常に相手の視点に立ち、人が「生きること」はもちろん、「生きていくこと」に関わる取り組みの意義が、しっかりと理解できたことを実感できました。

なお、9月4日の台風21号、及び9月6日の北海道地震で被害に遭われた多数の方々には、この場をお借りして、心よりお見舞い申し上げます。