
料理に関わる仕事に興味があり、調理師免許の取得を考えているものの、試験の難しさに不安を感じる方もいるでしょう。調理師試験の合格率は、全国平均でおよそ60〜70%前後であるため、しっかり対策すれば十分に合格を狙える資格といえます。
今回は調理師免許を取得する前に知っておきたい情報を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
調理師免許の合格率はどのくらい?
・直近10年間の全国平均合格率は、およそ60〜70%
・都道府県によって合格率は異なる
調理師免許の試験内容と出題範囲
・試験科目と出題範囲
・試験形式と合格基準
調理師免許を取得する2つのルート
・1.専門学校・調理師学校で取得する方法
・2.飲食店での実務経験を積んで取得する方法
調理師免許を取得した後のキャリア
・主な就職先はレストラン以外にもある
・就職後は実力次第でキャリアアップできる
・経験を積んだら独立・開業の道もある
・フードコーディネーターなど食の専門職へ転換する道もある
調理師免許を取得するなら専門学校がおすすめ
・卒業と同時に調理師資格を得られる
・プロの講師から直接学べる
・調理技術と知識を体系的に習得できる
・就職サポートで希望の職場に就きやすい
まとめ
調理師免許の合格率はどのくらい?
調理師試験は国家資格の中では比較的合格しやすい水準ですが、対策せずに受かる試験ではありません。出題は食文化や衛生管理、栄養学など幅広く、基礎知識の理解が求められます。また、実施主体が都道府県ごとのため、試験問題の傾向や合格率に差が出る点も特徴です。試験の難易度を知るために、合格率はどのくらいなのか見ていきましょう。
直近10年間の全国平均合格率は、およそ60〜70%
調理師試験の全国平均合格率は、ここ10年間、60〜70%程度で推移しています。
| 年度 | 全国平均合格率 |
| 平成26年 | 61.0% |
| 平成27年 | 62.1% |
| 平成28年 | 64.4% |
| 平成29年 | 61.7% |
| 平成30年 | 61.6% |
| 令和元年 | 66.4% |
| 令和2年 | 70.2% |
| 令和3年 | 65.6% |
| 令和4年 | 65.4% |
| 令和5年 | 60.8% |
受験者5人につき、3人が合格する試験と考えると、イメージしやすいでしょう。必ず合格する試験ではありませんが、国家資格の中では、比較的取得しやすいといえます。
都道府県によって合格率は異なる
調理師試験は都道府県ごとに実施されるため、合格率に地域差が生じます。令和5年度のデータを見ると、愛媛県の82.9%に対し、沖縄県は36.2%と、同じ年度でも合格率に約47ポイントの差があります。
一方、首都圏に目を向けると、東京都は62.0%、埼玉県は61.3%、千葉県は56.5%、神奈川県は74.5%と、全国平均(60.8%)に近い水準です。この数字を見て、合格率の高いエリアで受験したいと思う方もいるかもしれません。しかし、都道府県ごとの難易度は予測できず、なおかつ調理師免許は国家資格の中では取得しやすい難易度である点をふまえると、合格率が高い地域を選ぶより、しっかりと試験対策に取り組むことが合格への近道といえます。
調理師免許の試験内容と出題範囲
調理師試験は、調理に関する知識を幅広く問う学科試験です。実技試験はなく、試験科目や出題形式はあらかじめ公表されているため、適切に対策すれば合格できます。ここからは、試験科目ごとの出題範囲や、出題形式、合格基準について詳しく見ていきましょう。
試験科目と出題範囲
調理師試験の試験科目と出題範囲は次のとおりです。
| 試験科目 | 主な出題範囲 |
| 公衆衛生学 | 社会全体の健康問題に関する科目 健康、感染症対策などについて |
| 食品学 | 食材そのものに関する科目 食品の性質・成分、保存方法などについて |
| 栄養学 | 食品の栄養素に関する科目 栄養素の機能、ライフステージごとに必要な栄養などについて |
| 食品衛生学 | 安全な食の提供に関する科目 食中毒の予防、食品衛生法、HACCPなどについて |
| 調理理論 | 調理のプロセス・技術に関する科目 調理の意義、調理器具の使い方などについて |
| 食文化概論 | 日本や世界の食文化に関する科目 食文化の成り立ちや、伝統料理などについて |
試験形式と合格基準
調理師試験は、マークシートによる四肢択一方式の筆記試験です。出題数は60問、試験時間は120分とされています。各科目の出題割合は次のとおりです。
| 試験科目 | 出願割合の目安 |
| 公衆衛生学 | 15% |
| 食品学 | 10% |
| 栄養学 | 15% |
| 食品衛生学 | 25% |
| 調理理論 | 30% |
| 食文化概論 | 5% |
合格基準は、満点の6割以上とされています。ただし、いずれかの科目の得点が平均を著しく下回っている場合、たとえ合計得点が6割を超えていても不合格となるため注意しなければなりません。6科目をバランスよく勉強し、全科目基準を超えられるようにすることが大切です。
調理師免許を取得する2つのルート
記事前半で紹介したとおり、調理師免許の取得方法は、次の2ルートに分けられます。
●専門学校などの調理師養成施設を卒業する(無試験)
●飲食店などで2年以上の実務経験を得た後に、調理師試験を受験する
取得ルートごとの特徴を紹介するので、どちらが自分に合っているか考えてみてください。
1.専門学校・調理師学校で取得する方法
都道府県知事が指定した調理師養成施設(専門学校・調理師学校など)で、所定の課程を修了すると、卒業後に都道府県知事へ免許を申請するだけで、調理師免許を取得できます。つまり無試験で調理師免許を取得できるのです。
また、専門学校へ進学すれば、在学中に調理技術を体系的に学べます。知識だけではなく、現場で活躍できる即戦力スキルまで身につけられる点は、大きなメリットといえるでしょう。高校卒業後、いきなり飲食店で働くことが不安な場合は、ぜひ調理師へ特化した専門学校への進学を検討してみてください。
2.飲食店での実務経験を積んで取得する方法
調理師養成施設へ進学しない場合、次の受験資格を満たし、調理師試験に合格する必要があります。
| 学歴 | 中学校卒業以上 |
| 職歴 | 飲食店・魚介類販売業・そうざい製造業・給食施設などで2年以上調理業務に従事 ※週4日以上かつ1日6時間以上の勤務が原則 ※ウェイター・ウェイトレス業務は調理業務として認められない |
高校卒業後に飲食店に就職し、実務経験を積んだ後、独学で試験に合格すれば、調理師資格を取得できます。ただし仕事と勉強を両立することは簡単ではなく、合格するまで何年もかかる可能性もあるでしょう。
調理師免許を取得した後のキャリア
調理師免許を取得した後の就職先として、レストランなど飲食店を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、調理師が活躍する場は幅広く、実力次第でさまざまなキャリアパスを実現できます。
たとえばレストランで修業した後、自分の店を持つことも夢ではありません。ここからは、調理師免許取得後の主な就職先と、将来的なキャリアの可能性について見ていきましょう。
主な就職先はレストラン以外にもある
調理師免許を取得した直後の就職先としては、次のような例が挙げられます。
●一般的な飲食店・レストラン
●ホテル・旅館・リゾート施設などの厨房
●病院・介護施設・老人ホームの厨房
●学校・保育園などの給食センター
●スーパーマーケットの惣菜部門
衛生管理・栄養学などの知識を持つ調理師は、さまざまな施設から「食のスペシャリスト」として求められているのです。とくに病院や介護施設では、治療食・介護食など専門性の高い調理も必要なため、専門知識と技術のある調理師が重宝されています。
就職後は実力次第でキャリアアップできる
調理師としてキャリアをスタートした後は、実力次第でステップアップが可能です。一般的なキャリアパスとしては、スタッフとして経験を積んだのち、副料理長など管理職へ昇進し、最終的に料理長(シェフ・責任者)へ進むルートが挙げられます。
調理の世界では、学歴よりも実力が重視される傾向があるため、腕を磨けば若くしてキャリアアップできる可能性もあります。また、厨房での仕事だけではなく、メニュー開発などクリエイティブな業務に携わる機会があることも、調理師になるメリットといえるでしょう。
経験を積んだら独立・開業の道もある
調理師としての経験とスキルを積み、職場内での昇進を目指すのも魅力的ですが、自分の店を持つという選択肢もあります。もちろん、開業して成功するためには、料理の腕だけでなく、経営や集客に関する知識も必要です。そのため、まずは料理長や副料理長として経営のノウハウを学び、その後に独立してもいいでしょう。
また、調理師免許を持っていれば、飲食店開業に必要な「食品衛生責任者」の資格をすぐに取得できる点も、独立を目指すうえで大きなメリットといえます。
フードコーディネーターなど食の専門職へ転換する道もある
調理師免許を土台に、料理・食に関連した別の専門職へキャリア転換する道もあります。たとえば、食のスタイリングやメニュー開発を手がけるフードコーディネーターや、栄養指導や献立作成を担う栄養士・管理栄養士などが選択肢になるでしょう。
また、調理師免許保有者が受験できる上位国家資格「専門調理師・調理技能士」に挑戦し、さらに高い専門性を証明するのもおすすめです。このように、調理師免許を取得した後のキャリアは、幅が広いことが特徴です。
調理師免許を取得するなら専門学校がおすすめ
調理師試験の受験資格さえ満たせば、独学で取得することも不可能ではありません。しかし、高校卒業後に最短かつ確実に免許を取得したい場合は、専門学校へ進学するのがおすすめです。調理師の専門学校ならではのメリットを4つ紹介します。
卒業と同時に調理師資格を得られる
試験を受けることなく、卒業と同時に調理師資格を得られることは、専門学校へ進学する最大のメリットです。たしかに調理師資格は独学での取得も可能とはいえ、2年間の実務経験を積みながら、勉強も両立することは簡単ではありません。
また、高校卒業後に、調理師試験の受験資格を得られる職場へ就職できるとも限らないでしょう。将来、料理に関わる仕事へ就きたい気持ちが固まっている場合は、まず専門学校へ進学して調理師資格を取得し、それから就活に臨んだほうが、理想の職場に出会える可能性が高まります。
プロの講師から直接学べる
調理師試験には実技がないため、もし独学での資格取得を目指す場合、調理技術は現場に出てから身につける必要があります。しかし高校卒業後、就職と同時に調理技術を一から習得するのは簡単ではないでしょう。また、そもそも調理技術がない高校生を、調理スタッフとして採用してくれる会社は多くありません。
一方、専門学校へ進学すれば、現場経験豊富なプロの料理人から調理技術を学べます。食のトレンドや最新技術も身につけた即戦力人材として成長できる点は、独学にはない専門学校ならではのメリットです。
調理技術と知識を体系的に習得できる
独学で調理師を目指す場合、自分が興味のある分野に知識が偏ってしまうことがあります。一方、専門学校のカリキュラムは、栄養学・食品衛生学・食文化など調理師として必要な知識はもちろん、現場で活躍できる調理技術まで、体系的に学べるよう設計されていることが特徴です。
高校卒業後の2年間、基礎から応用まで順序立てて学ぶことで、調理師に必要なスキルをバランスよく身につけられる点も、専門学校ならではの強みといえます。調理師としての土台をしっかり築きたい方こそ、専門学校で学んでみてください。
就職サポートで希望の職場に就きやすい
専門学校は、調理師としてのスキルアップのみならず、就職活動もサポートしてくれます。履歴書の書き方や面接についてレクチャーしてくれるだけではなく、学校独自のネットワークを通じて寄せられた求人情報を紹介してもらえる点も特徴です。
このため高校3年生の間に就活するよりも、専門学校で就活するほうが、さまざまな選択肢の中から就職先を選べる可能性が高いです。ただ調理師免許を取得するだけではなく、理想の職場へ就職することも重視する場合は、ぜひ専門学校への進学を考えてみてください。
まとめ
調理師試験の合格率は都道府県・年度によって差がありますが、60〜70%程度の高水準で推移しています。そのため、独学で挑戦することも不可能ではないでしょう。しかし、実際に調理師として活躍するためには、現場で通用する調理技術も身につけなければなりません。
そのため、高校卒業時点で調理師になりたいと考えている場合は、知識と実技の両方を習得でき、卒業と同時に無試験で調理師免許を取得できる専門学校に進学するのがおすすめです。埼玉福祉保育医療製菓調理専門学校の調理師科では、高校生向けにオープンキャンパスを開催しておりますので、ぜひお気軽にご参加ください。
