みなさんは「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」という資格についてご存知でしょうか。
実はこの資格、現存している資格ではありません。
しかし、厚生労働省の専門部会が新設をすすめ、2024年から制度の開始が見込まれています。
【子どもや家庭を支援する児童福祉に携わる対人援助職】にとても関係のある資格になっていくことが予想されています。
<子ども家庭福祉分野の資格・資質向上について(案)>
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000851569.pdf
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーとは?
みなさんは、児童虐待相談件数がこの30年で右肩上がりの上昇をしていることをご存知でしょうか?
2021年に厚生労働省が発表した全国の児童相談所が相談対応した件数は20万件を超え、過去最多を記録しました。
<令和2年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数>
https://www.mhlw.go.jp/content/000863297.pdf
この「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」という資格は、児童虐待が増える中、そのような児童の保護や支援を行う児童相談所ではたらく児童福祉司はもとより、多様で複雑な問題を抱えた子どもや家庭を支援する人材に“高い専門性”が求められることから、子ども家庭福祉分野に特化した資格が必要であるという多くの声によって創設されることとなりました。
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーになるには?
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーになるためには、2年以上の実務経験がある社会福祉士や精神保健福祉士が、100時間程度の指定研修を受講後、試験に合格すれば取得できるルートと、導入にあたり既存の両資格がない人でも実務経験のある人材が資格を取得できるよう経過措置を設けるとされています。
(子ども家庭福祉分野や保育分野で4年以上の実務経験があれば、指定研修とは別のソーシャルワークに関する研修も受講することで、受験資格を得られるようにするなどが考えられているそうです。)
―厚生労働省 子ども家庭福祉分野の資格・資質向上について(案)より抜粋
また、この子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの国家資格化をめぐって、議論がされ続けていたのですが、ひとまず民間資格とし、施行後2年をめどに国家資格化を再度検討する方針で決定されたところです。
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの活躍の場所
子どもや家庭を支援する高い専門性を持つ子ども家庭ソーシャルワーカーは、児童に関する全ての相談を受ける児童相談所をはじめ、市町村の福祉事務所や役場、また児童養護施設や児童家庭支援センター、学校など幅広い児童福祉分野での活躍が期待されています。
(子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの活躍する施設の概要についてはまた別の機会に!)
最後に・・・
大きな社会問題となっている児童虐待、そして、それらをとりまく環境に働きかける高度な専門性を持ったソーシャルワーカーとして、この資格は創設される予定となっています。
既存の有資格者ルートに社会福祉士がいることからも、お分かりになると思いますが、ソーシャルワーカーと呼ばれる社会福祉士や精神保健福祉士が、このような児童虐待をはじめ社会問題に取り組んでいる現状があります。
これからますます必要とされる児童福祉分野の専門職「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」の活躍が期待されています。