子どもと高齢者の関わりを作る上での 子連れ出勤の可能性

年度 2017
学科 社会福祉士科

1. はじめに

 私たちは、保育所と高齢者施設を一緒の施設(幼老複合施設)にすることによって、幼児がいることで働けない人も働けるようになり、職員の人材不足緩和、子どもたち、高齢者にとっても良い影響があるのではないかと考えた。
 また、近年日本で大きな問題の一つとして少子高齢化社会にも注目した。その問題には、待機児童や福祉業界の人材不足、三世代世帯が減少していることも関係があるのではないかと考えた。
 そして、高齢者施設での実習を行なった際、レクリエーションなどが少なく行動範囲も限られている中で、何か高齢者の方にやりがいをもって楽しく過ごす方法があるのではないかと疑問に思った。

2.現状把握

●子どもと高齢者が一緒に過ごす幼老複合施設の実践では、富山型デイサービスがあるが、
 他の自治体においては設置基準や様々なリスクにより難しいとされていることがわかった。
 ※富山型デイサービス…支援が必要な人を誰でも受け入れている小規模施設。
 高齢者だけではなく、子どもや赤ちゃんも、障害のある人もない人も一緒に過ごしている

●託児所を併設している施設は増えているものの、規模が小さい施設に託児所を導入する
 ことは難しく、利用者と子どもたちが関わる機会も限られているということがわかった。

3.仮説

 私たちは、子ども達と高齢者が一緒に過ごせる幼老複合施設を増やすのではなく、今ある施設に子連れ出勤制度を取り入れることで、子ども達と高齢者との関わりの場を提供できるのではないか。
※今回の研究で取り上げている子連れ出勤制度とは、職場(高齢者施設)に子どもと一緒に出勤し、高齢者と子ども達が同じ空間で過ごしているということ(託児所等の併設は除く)を定義とし、子どもの対象年齢としては限定せずに行った。

4.研究方法

Ⅰ.施設訪問(所沢市ハッピーホームデイサービス)
  訪問日 平成29年9月11日

 仮説を検証するために、実際に子連れ出勤制度を導入している施設はないか調査をしたところ所沢市にある小規模通所介護施設の「ハッピーホームディサービス」の紹介を受け、訪問し子連れ出勤の実際について聞き取りを行なった。

Ⅱ.施設アンケート実施
  ①実施施設…全国8ヶ所
  ②研究期間…平成29年10月20日~平成29年10月30日
  ③対象者…施設の管理者、子連れ出勤を利用している職員

※インターネットで子連れ出勤可の施設の求人を調べ、その施設に電話をし、託児所ではなく実際に利用者と子どもが同じ空間で関わっているのかを確認した上で、結果8ヵ所の施設に協力してもらった。

5.研究結果

 訪問した施設では、どのように子ども達と高齢者が関わっているのか伺ったところ、子どもたちが職員の手伝いをしていたり、高齢者とコミュニケーションを図っていることがわかった。
 子どもたちが高齢者と関わるメリットとして、認知症の方は子どもたちと関わる事で世代間を越えた交流が生まれ役割ができ、高齢者の笑顔が増え活力が上がるなど良い刺激にもなり、その結果周辺症状の悪化を遅らせるなどの効果が期待できることがわかった。
 また、ターミナル期の利用者の受け入れも行っているので、子どもたちが命の大切さを知ることができ、日常的に高齢者と関わっている為、施設外であっても困っている人に対し優しく接することができているなどの事がわかった。

<全国の施設にアンケートをお願いした結果>
子連れ出勤を始めたきっかけとして、
・利用者と子どもたちが関わることによって笑顔が多くなり、活性化にもつながるため
・職員の育児により、働けない状況の解消
・職員の人材不足解消
などがあげられた。
 働きたくても働けない方の役に立てて、高齢者の方も子どもの笑顔に癒される。職員と高齢者のお互いにいい影響を与えられる関係になれるシステムという意見もあった。

アンケートに返答を頂いた4箇所の施設では、子連れ出勤が就業規則上に定められてないことが分かった。

6.考察およびまとめ

 今回の研究を通して私たちは、高齢者と子どもたちが関わっていく施設を増やしていく中で多くのメリットがあるにもかかわらず、そのような施設が少ないということがわかった。そこで私たちは、デメリットについての改善案を提案したいと思う。(ここはもう少し練るとよいかもです)

①子どもが苦手な利用者がいる
 〔改善案〕
 ●子どもたちが立ち入り禁止の部屋を設ける
 ●職員が利用者と関わる際に子どももその場に一緒にいて関わる回数を増やし、徐々に
  信頼関係を築いていく
 ●入所時に子どもが来るということを説明し、了解した上で決めてもらう

②職員が職場に子どもを連れてくることが迷惑なのではないかと感じている
 〔改善案〕
 ●施設側と職員とで話し合い決定事項を決める
 ●職員同士、定期的に意見交換を行う

③通勤時の満員電車
 〔改善案〕
 ●通勤時間をずらすシフトをつくる
 ●施設の送迎車を活用して通勤のサポート

④勤務中に子どもが泣いてしまう
 〔改善案〕
 ●子どもと親が一緒に行動する
 ●自分の子どもと関わるための休憩時間をつくる
 ●保育士資格のある職員を採用する
 などの改善案が出た。

 今後の課題としてデメリットも踏まえ、子どもを連れて職場に出勤するという働き方を知ってもらう必要がある。現代、高齢者と子どもの関わりが減っているなかで楽しい関わりが出来る環境や、積極的に関わりを持とうとできる場をつくることが重要だと思う。
 以上のことより、私たちは高齢者と子ども達の両者にいい影響を与えることができる提案のひとつとして子連れ出勤を提案し、今後多くの施設に導入して小さい子どもがいる人も働きやすい職場が増えていけばいいと思う。

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