2歳児の歯磨きの導入について

年度 2016
学科 こども福祉科II部

1、はじめに

人間の歯は、生まれてから死ぬまでずっと使い続ける大切なものである。子どもの歯は、乳歯(子どもの時に生える歯のこと)から永久歯(乳歯と交代して、以後一生涯生え変わらない歯)へと成長途中で生え変わるが、乳歯の時点で虫歯に大きく影響を与える。その為にも子どもたちの歯磨きは生きていく上でとても重要になる。しかし、子どもが自分で歯を守ることができない為、大人のケアが必要になるが、親や保育者でも歯磨きに悪戦苦闘している人が多いことを知った。その為、どうしたら子どもが興味を持って歯磨きをするようになるかを調査することにした。

2、現状把握

2歳頃になると「自我の拡大」が始まり、一般的に言われる「いやいや期」が始まる。そして、歯磨きを嫌がる子供が出てくる。特に、2歳前後が嫌がるピークである。その為3歳以下の子どものほとんどは、歯ブラシが大嫌い。特に、2歳前後に嫌がるピークがある。
感染の窓といわれる生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月(乳歯の生えそろうころ)が最も虫歯に対する注意が必要。

3、仮説

子どもが歯磨きをする前後に、歯磨きの導入をすることで、歯磨きに興味をもてるようになる。なかでも、歌や絵本を用いた導入に高い効果があるのではないかと考えた。

4、研究方法

(1)対象
2歳児の子ども3人
(2)研究方法
①1、2日目:保護者の声掛けを聞いてから歯を磨く。
②3、4日目:動画を見せてから歯を磨く。(「はみがきじょうずかな」)
③5、6日目:絵本を見る。(「はみがきじょうずにできるかな?」)
④7、8日目:好きな歯ブラシ、歯磨き粉で歯を磨く。
⑤9、10日目:ごほうびをもらう。

①~⑤の方法を10日間に2回ずつ連続で夜の歯磨きの際に行ってもらい、子どもの歯磨きに対する様子を観察する。
その観察結果を、あらかじめ用意した評価表にしたがって、保護者に記入してもらう。

5、研究結果

*Aくん(2歳6ヵ月)
①声掛け
〈歯磨きまでの時間〉 1回目3分 2回目5分
〈子どもの様子〉1回目も2回目も関心がなく、嫌々やっている感じ。やりやすさとしては1回目も2回目もやりにくい。
②動画を見せる
〈歯磨きまでの時間〉1回目9分 2回目5分
〈子どもの様子〉1回目も2回目も楽しそうに直ぐに歯磨きを行う。やりやすさとしては、1回目も2回目も喜んでいてスムーズにやり易かった。
③絵本を読む
〈歯磨きまでの時間〉1回目10分 2回目10分
〈子どもの様子〉1回目も2回目も絵本に興味津々で嬉しそうだった。やりやすさとしては、1回目も2回目も絵本に夢中でとてもやり易かった。
④好きなものを選ぶ
〈歯磨きまでの時間〉1回目3分 2回目2分
〈子どもの様子〉1回目も2回目も好きなキャラクターを選んで喜んでいた。やりやすさとしては、1回目も2回目も歯磨きまでスムーズでやり易かった。
⑤ご褒美
〈歯磨きまでの時間〉1回目1分 2回目1分
〈子どもの様子〉1回目も2回目もタブレットを見せると直ぐに歯磨きをした。やりやすさとしては、1回目も2回目もとてもやり易かった。

*B くん(2歳2ヶ月)
①声掛け
〈歯磨きまでの時間〉1回目→10分 2回目→1分
〈子どもの様子〉1回目は、母が「歯磨きするよ」と声掛けをしたら子どもが「みかん食べたい」と答えたので食べたら磨く約束をした。自分のペースで歯磨きすることで楽しく行う姿が見られる。2回目は、「やだ」と言いながらもしぶしぶ行う。
②動画を見る
〈歯磨きまでの時間〉1回目→5分 2回目→10分
〈子どもの様子〉 1回目は、少し眠そうだったが母が「これみてやろ」と声を掛けることで楽しそうに行う姿が見られる。2日目は、眠くて嫌がっていたが、母が歌うことで楽しそうに行う姿が見られた。
③絵本を読む
〈歯磨きまでの時間〉1回目→1分 2回目→30秒
〈子どもの様子〉1回目は、母が「はみがきしよ」と声を掛けると「いいよ」と返事があった。絵本に登場するライオンの葉を磨く姿が見られる。2回目は、母が、「歯磨きするよ」と声を掛けると自分で椅子を持ってきて歯磨きを行う姿が見られる。
④好きなものを選ばせる
〈歯磨きまでの時間〉1回目→10分 2回目→1分
〈子どもの様子〉1回目は、嬉しそうにイチゴ味の歯みがき粉選ぶ姿が見られる。
2日目は、違う味の歯みがき粉が良かったみたいで、何もつけず歯みがきをする姿が見られる。声を掛けないとやる気にならない。
⑤ごほうびをあげる
〈歯磨きまでの時間〉1回目→5分 2回目→直ぐに
〈子どもの様子〉1回目は、ごほうびを楽しみに嫌がらずすんなりと磨く姿が見られた。ごほうびの味を真剣に選んで食べていた。
2回目は、ごほうびを見せるまで、玩具に夢中だった。ごほうびを「ちらっ」と見せると母の元に走ってきて磨かせてくれる姿があった。

*Cちゃん(2歳1ヶ月)
①声掛け
〈歯磨きまでの時間〉1回目→30秒 2回目→1分
〈子どもの様子〉1回目は、祖母が声掛けをしたが、子どもは歯磨きがあまり好きではない為、口の中に歯ブラシを入れると噛んでしまった。2回目は、母が「歯磨きする人?」声掛けをすると元気よく返事をして歯磨きをしたが、子どもが自分で歯磨きをしていると歯ブラシを噛んでしまう。
②動画を見る
〈歯磨きまでの時間〉1回目→1分 2回目1分
〈子どもの様子〉1回目は、動画を見せることで真似をし、にこにこしながら歯磨きを喜んで行った。2回目は、動画に夢中になってしまい手が止まってしまった。動画を消すと大泣きをし、仕上げ磨きを嫌がる姿が見られた。
③絵本を読む
〈歯磨きまでの時間〉1回目→10分 2回目→5分
〈子どもの様子〉1回目は、絵本の動物の歯を磨いたことで、歯磨きの楽しさを覚え、嫌がらずに行うことができた。2回目も1回目と同様楽しく磨くことができた。
④好きな歯ブラシ、歯磨き粉で歯を磨く
〈歯磨きまでの時間〉1回目→10分 2回目→15分
〈子どもの様子〉1回目は、自分で好きなものを選んだのがうれしく、喜んで歯磨きを行えた。2回目も、自分で選ぶことで楽しくなる様で磨く側もやりやすかった。
⑤ごほうびをあげる
〈歯磨きまでの時間〉1回目→20分 2回目→10分
〈子どもの様子〉1回目は、ごほうびをほしがるが、ごほうびで遊んでしまい、歯磨きに結び付けなかった。2回目もやはり、歯磨きをしたらもらえるという結びつけにならず、歯磨きができるかが疑問になってしまった。

6、考察・まとめ

全ての導入方法を通して1回目より2回目の方が歯磨きまでの時間が早くなる傾向が見られる。同じ導入方法でも歯磨きまでの時間に大きく個人差が出ることがある。
声掛け・動画を見るは歯磨きまでの時間が早いが、子どもたちの様子は嫌々で楽しみながら歯磨きできていない。保護者も行いにくいと回答していた。
しかし、絵本・好きなもの・ご褒美は歯磨きまでの時間が掛かるが、子どもたちの様子は喜んでいたり楽しんだりして、歯磨きしている。保護者もとても行いやすいと回答していた。
今回研究を行ったことで、私たちは初めに歌や絵本を用いた導入に高い効果があると予想したが実際の結果は以上のようになった。
歯磨きを見るだけでなく絵本を用いて体験することで、子どもの歯磨きへの関心を高めることが出来ると分かった。

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