車椅子を使用している利用者や寝たきりの利用者等のおむつかぶれ予防について
年度 | 2015 |
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学科 | 介護福祉士科 |
1、はじめに
私たちが今まで行った実習先では、陰部にかぶれがあり、皮膚が炎症を起こしており、辛そうにしている利用者がいた。
おむつかぶれの原因としては、尿や便の付着、長時間のおむつ着用による蒸れ等で起きている可能性がある。
私たちがおむつかぶれ予防法について調べていると馬油を使用したおむつかぶれ予防法を知った。おむつかぶれ予防法として馬油が効果があることはわかっている。しかし、調べていくと馬油を使用したおむつかぶれ予防法を知っている施設が少ないことがわかった。
その結果、施設にアンケートを行い、馬油の知名度を上げたいと考えた。
2、現状把握
馬油には、人間の体内でつくられることのない必須脂肪酸の一種である、高度不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。馬油は天然成分なので、副作用の心配がなく、安全だと言われている。
馬油の効果としては、「保湿をし、肌の乾燥を防ぐ」、「低刺激」「殺菌、抗酸化作用」や、あせもやキズにも効果があることが書かれている。
馬油を使用している施設は少なく、電話したり、ホームページを調べた結果馬油を知っている施設が少ないことに気がついた。
3、仮説
馬油がおむつかぶれ予防に効果があることは先行研究で明らかになっている。しかし、馬油がおむつかぶれ予防に効果があることを知っている施設は少ないのではないかと考えた。
アンケートの結果、馬油を使ったおむつかぶれ予防を知っている施設は少なく、馬油の存在を知ることで馬油をおむつかぶれ予防法として取り入れを考える施設があるのではないかと考えた。
4、研究方法
■ 実施期間 11月中
■ 実施場所 埼玉県内の障害者施設、高齢者施設
■ 検証方法 施設の職員にアンケート
■ アンケート内容
質問1、車椅子を使用している利用者・寝たきりの利用者等のおむつかぶれ予防はどのようなことを行っていますか。
選択肢:
1、馬油を塗布する 2、随時おむつ交換を行っている
3、清拭をした後に乾拭きし、湿気を取る 4、ベビーパウダーを使っている
5、ワセリン等の医師から処方された薬を使用 6、その他
質問2、質問1で答えた予防方法で最もよいと思われる予防方法の順にお答えください。
1番目によいと考える予防方法
2番目によいと考える予防方法
3番目によいと考える予防方法
質問3、質問1で答えた予防方法を行うことでどのような効果が得られましたか。
選択肢:1、改善した 2、改善しなかった 3、変わらなかった
質問4、馬油を使用するおむつかぶれ予防方法を知っていますか。
選択肢:1、知っている 2、知らなかった
質問5、馬油への効果が期待できると思いますか。
選択肢:1、期待できる 2、期待できない 3、わからない
質問6、施設で馬油を使用したいと考えていますか。
選択肢:1、考えている 2、考えていない
質問7、質問6で馬油使用を考えていないと答えた方に聞きます、馬油使用を考えていない理由をお答えください。
5、研究結果
質問3:改善した8 改善しなかった 0 変化がなかった 1
質問4:知っている 3 知らない(聞いたことがあるも含む)7
質問5:期待できる 1 期待できない 1 わからない 5
質問6:考えている 1 考えていない 7
質問7:
・現状行っているおむつかぶれ予防法で改善しているから
・ワセリンで対処しているため
・おむつかぶれの人が少ない
・体位変換や寝具の調整などを行うことによって改善している
・馬油を使用することに対してのリスクマネジメントを行えていない
・大きなかぶれがないから
・馬油を扱っている店が少なく、すぐに購入できないから
アンケートの結果、馬油を知っている施設は少なかったものの、現在行っているおむつかぶれ予防法で改善していると答えた施設が多く、馬油の効果を知っても馬油使用を考えていない施設が多いという結果になった。
6、考察
仮説では、馬油を使用したおむつかぶれ予防の認知度が低いため、使うことによってどのような効果が得られるのかがわからず、使用したいと思わないという結果になった。
また、施設で行っているおむつかぶれ予防法を実施することにより、現時点で利用者におむつかぶれ予防がほとんどないので馬油を使用しなくてもいい考える施設も多かった。
研究を行ってみて、利用者におむつかぶれができないように施設では各施設とも工夫をしていることがわかった。
そして改善策としては、馬油について認知度を上げ馬油の効果などを知ってもらう必要がある。
7、まとめ
私たちは実習施設でおむつによるかぶれを起こしてしまっている利用者を見て、何か予防法はないのかと思い、馬油によるおむつかぶれ予防を知り、広めたいと思い研究をした。
認知度が低いため施設では使用していないと考えたが、知っている施設は少なかったものの、知っている施設でも馬油使用は考えていないという施設が多く、今現在施設で行っているおむつかぶれ予防で改善できているという回答が目立った。
アンケートの結果おむつかぶれ予防で馬油を使用していた所はなかったが美容の目的でボディークリームとして使用している施設があったことから、おむつかぶれ予防の効果があることを知っている施設は少ないが、保湿などとして馬油を使用している施設があることが分かった。
近くの薬局、スーパーで買うことが出来るワセリン、ベビーパウダーを使用しかぶれ予防を行っている事を知った。馬油は肌荒れ、かぶれに良いが店によってある所とない所があり、直ぐに購入出来ない、馬油が何処で販売しているのかわからない施設が多くあったことを知った。
私たちはこの研究を活かし、利用者の方たちへのおむつかぶれや、おむつ着用による湿気などでの不快感軽減への取り組みをこれからも追及していこうと考えた。
8、参考文献
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/horse-oil/
(わかさの秘密)
http://kakei-smile.com/health/8339/
(家計すまいる)