緑茶を用いた陰部洗浄について

年度 2015
学科 介護福祉士科

1. はじめに

排泄について調べたいと思うメンバーが集まり、その中でおむつかぶれやにおいについて効果があるとされている緑茶陰洗を実習中に体験した学生の話を聞き、それについて研究を始めた。
緑茶に含まれるカテキンがかゆみやかぶれ、においの防止、かきこみ行為の防止にも効果がみられたという先行研究があったことを知り、おむつを使用している利用者の方がかぶれやかゆみ、においに対し、悩みを抱えているような表情をされていた為、緑茶を用いた陰部洗浄によって快適に過ごしていただけるのではないかと考え、研究のテーマとした。

2. 仮説

緑茶に含まれるカテキンがかぶれ予防及び、かゆみやかきこみ行為、においの改善に良いとされているが、認知度の低さや効果を知らない為か実際に行っている施設がほとんどない。また、コスト面や、保存・手入れの手間などの理由より、緑茶を用いた陰部洗浄を知っていても実施しづらい、施設ごとの方針により体制を変えづらいなどの理由から、行うことが難しいということも考えられる。
その為、コストを抑えたうえでより効果的で効率的な方法の共有ができれば多くの施設で緑茶を用いた陰部洗浄を行うようになるのではないかと考える。

3. 研究方法

1)埼玉福祉専門学校及び東京福祉専門学校の介護科の学生を対象に、陰部洗浄に関する アンケートの実施
2)実習でお世話になった施設を対象に陰部洗浄に関するアンケートの実施
3)アンケート結果をもとに、緑茶を用いた陰部洗浄の認知度、実施していない理由及び実施している理由をまとめる

4. 研究結果

学生を対象としたアンケート・施設を対象としたアンケート共に、緑茶を用いた陰部洗浄を知っていると回答した方は極少数だった。
施設を対象としたアンケートでは約6割の施設が「行いたいと思わなかった」という回答だった。また、「行いたいと思った」と答えた施設のほとんどは特別養護老人ホームだった。(グラフ参照)

行ってみたいと思うと答えた施設が現在行っていない理由は存在を知らなかったという回答 が多く、行いたいとは思わなかった施設が、現在行っていない理由は存在を知らなかったという回答と、手間がかかるという回答が多かった。
そのほかにも、ほかの方法で十分だと感じている、効果があるとは思えない、といった意見や行いたいと思うがデータが足りないという意見もあった。

5. 考察

アンケート結果より、介護老人福祉施設のほうが緑茶を用いた陰部洗浄に興味を持っていただけた理由は、介護老人保健施設よりも要介護度の高い利用者様が多いことが関係しているのではないかと考えられる。(グラフ参照) 広まらない理由としては、実例の少なさなどの意見を頂きましたが一番はそもそも緑茶を用いた陰部洗浄を知らないことが原因だと考えられる。(グラフ参照)
そのほかにもおむつの使用者を減らす取り組みや、陰部洗浄前に何らかの工夫をしているた め、かぶれなどのトラブルがないため、わざわざ緑茶を用いる必要がないという施設もあった。行ってみたいという意見の中では、緑茶を用いた陰部洗浄の存在を知り、興味を持った、検 討してみたいという施設もあった。

6. まとめ

今回の研究を通し、実例が少なく、はっきりとしたデータもほとんどなかったためか、緑茶を用いた陰部洗浄を「行ってみたい」という回答がほとんどもらえなかった。そのため、今後は実際に実施していただき、そのうえでこれから先も実施し続けていきたいか、そうでないかの研究もしていきたいと思った。

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