こどもの体の発達と昔遊びの関係性について

年度 2015
学科 こども福祉科II部

1 はじめに

私たちが勤務している園や実習先では、スポーツの時間や体操の時間がカリキュラムに組み込まれている。しかし、一方で近年子どもの体力が低下していると言われて久しい。
このような活動を取り入れているにも関わらず、現代の子どもたちは体格は向上しているが、体力は低下していることに疑問を持った。その原因として、昔の体を使った遊びをしなくなったことによるのではないかと考え、このテーマを研究することにした。

2 現状把握

遊ぶ場所がなくなり、ゲームの普及によってゲームや室内で遊ぶ子どもたちが増えている。
子どもの遊びの環境として、影響を与えている原因は子どもに対する事件、事故が多く公園の減少や自由に遊ぶ場がなくなったことが要因である。

子どもの体力の原因としてあげられることは、保護者をはじめとする国民の意識の中で、外遊びやスポーツの重要性を、学力の状況と比べ軽視する傾向が進んだことにある。週3日以上運動やスポーツをする子どもたちの割合が、30 年前に比べ6~8割に減少しているということからもその一端が垣間見える。また、生活の利便性や生活様式の変化は、日常生活における身体を動かす機会の減少を招いている。
① 学校外の学習活動や室内遊びの増加による、外遊びとスポーツ活動時間の減少
② 空き地や生活道路といった子どもたちの手軽な遊び場の減少
③ 少子化や、学校外の学習活動などによる仲間の減少

3 仮 説

ゲームなど家の中で遊んでばかりいる子に対し、野外で昔遊びを経験させることで、体力と運動機能の向上になる。
私たちが考えた昔遊びを現代風にアレンジした遊びを子どもたちに実証したことによって、昔遊びの楽しさを感じ、外遊びで体を動かす機会が増える。

4 研究方法

(1)目的
子どもたちに昔遊び、運動遊びをさせ、体力・運動機能の変化を図る。
(2) 実施内容
・実施時期:平成 27 年 8 月から 9 月
・方法:行動観察(昔遊びを元に現代風にアレンジした遊び)
・場所:L 保育園、A 保育園、さいたま市立 M 小学校
・対象年齢:1~5歳、小学一、二年生

5 結果、考察

私たちは L 保育園・A 保育園・M 小学校に調査協力を頼み効果の検証を行った。
(1)室内遊び
L 保育園では室内遊びを主に調査した。
①平均台遊び 子どもたちはバランスをとりながら棒の上を渡っていった、このことから平均台遊びにはバランス感覚と体幹を強化できることに気づいた。
②縄跳び 一人では飛ぶことの難しい 4 歳児でも大縄にすることで簡単に楽しめることがわかった。飛ぶ際に縄を見る動作から動体視力が養われると考える。
③ボール蹴り 的を設置することによりどこに蹴ればいいか目標を持つことができ、蹴った後の達成感が多いことがわかった。うまく蹴れなくても的があることで、もう一度挑戦したい気持ちが生まれることがわかった。

(2)小学校での外遊び
M 小学校ではサマーキャンプを活用しゲームなどの電子機器がない場合の遊びを行ってもらった。
①タイヤ登り 山のがけにタイヤの足場が作られており、低学年でも安全に登ることができる。腕、足の筋肉をうまく使うとともに次はどこに足を置くか手はどこに置くなど次の行動を考える力が養われることがわかった。
②傾斜登り 傾斜に設置されたベニヤ板に向かい助走をつけ、上ってもらった。助走をつけて上るという単純な動作であるが、何回も挑戦する気持ちとやり遂げたときの達成感を多く持てることがわかった。なおかつ先に上がり終わった子が他の子を助けるなど他者を思いやる気持ちが育まれることがわかった。
③昆虫採集 子どもたち自らが虫蜜を作って虫を捕まえてもらいました。残念ながら虫はいなかったが物事に期待を持って取り組む気持ちが強くなることがわかった。虫を調べることにより興味を持って何かを調べ理解使用とする力がつくと考えられる。

(3)保育園での外遊び
A 保育園では外遊びを主に調査。
①ジグザグ走り 園庭にジグザグに書かれた線の上を子どもたちに走ってもらった。ジグザグ走りには走り出す瞬発力と方向転換を行う機動力が培うと考えられる。
②ジャンプタッチ 保育士が手に持った紐に向かいジャンプしてタッチしてもらいました。ジャンプしてタッチするだけの簡単な動作だが。目標に向かって飛ぶ意欲と、より高く飛ぶための跳躍力が強化されると考えられる。
③ボールキャッチ ボールをよく見てキャッチする遊びを行ってもらった。保育士には捕るのに体を動かすように無理のない位置で色々な所に投げてもらった。このボールキャッチにはボールをきちんと見る動体視力と落とさないようにキャッチするための指の力の発達が培われると考える。
どれも子どもたちにとっては初めての体験ながら順応に対応していました。終わった後子どもたちに感想を聞いてみると「楽しかった、またやりたい」と、とっても嬉しそうに言っていた。

(4)全体を通じて考察
当初の昔遊びに代わる「現代の遊び」はないかを考え、様々な昔遊びと現代の遊びを組み合わせた遊びを考えた。しかし、すでに子どもたちの遊びは昔の遊びと現代の遊びの組み合わせたものが多く、すでに出尽くしていることを知った。
つまり、それだけ昔の遊びは現代にも通用し、現代の遊びに繋がっている事を確認した。また、子どもたちが未経験の昔遊びでも、指導者が遊びを提供することで、喜んで遊ぶことを確認した。

6 ま と め

最近の子どもたちの遊び方は、仲間が集まると何をして遊ぶか相談し自分たちで話し合って遊びのルールを決めていく。ゲームがあればゲームしかしない。もしゲームがなければ、その場の環境で遊びを見つけることができる。
一方、遊びを提供する指導者がいれば、子どもたちは喜んで昔遊び(アレンジしたものを含む)を続けることができる。
指導者やそうした遊び機会を作ることが大切であることが、今回の研究で良くわかった。
そして、昔遊びには、子どもたちの体の発達や体力向上に効果があり、外遊びをすることの大切さがあらためて確認できた。

7 参考文献

・子供の体力の現状
(www013.upp.so-net.ne.jp/challengesquare/pdf/kidspaper.pdf#search)
・子どもと姿勢研究会(http://kodomotoshisei.kokage.cc/mukashinagaranoasobi/)
・www.nps.ed.jp/nara-c/gakushi/kiyou/h22/2youji.pdf#search

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