布オムツの現状とオムツはずれの早さの関係性

年度 2015
学科 こども福祉科II部

1.はじめに

幼児期に行われるトイレトレーニングは、子どもにとって自分の行動に自信を持つとともに、母親への信頼を育む重要な過程だと考えられる。また保護者にとっても、子どもの成長を実感でき、育児の上での節目ともなっている。ところが、保護者によっては、より早くオムツをはずしたいという気持ちから、子どもの発達状態を十分に把握せずにトイレトレーニングを行った結果、思うように進まず母子ともにストレスに悩まされる場合がある。そこで、私たちは布オムツの現状とオムツはずれの早さの関係性について調べることにした。

2.現状把握

いつ頃からトレーニングを始めるのがよいのか。現状において、トイレトレーニングを始める目安として、(1、歩くことができているか)(2、おしっこの間隔が 2 時間以上開いているか)(3、言葉や動作で自分の意思を伝えることができているか)という 3 点が基本になっており、子どもの体の準備ができるのを待ったほうがいいという説が有力である。
一方で、昔ながらの方法として、0 歳(首が据わるころ、または腰が据わるころ)から開始して、オムツ生活に慣れきってしまう前に、オムツをはずす方法がある。この方法だと、自然と「トイレでおしっこをする」「トイレ以外でしない」という感覚が早く身につくとも言われている。これはこれで理想的に感じるが、実践できる環境にいる保護者ばかりではないのが現実である。これ以外にもオムツ代を節約したい、布オムツを洗う手間を省きたいなどの理由から、早期にトイレトレーニングを行う保護者も少なくない。以前よりオムツはずれが早いといわれている布オムツだが、現状の市場調査では、布オムツの使用率は全体の 1%でしかない。(参考文献 4 より)
ここでは、なぜ布オムツの使用率が上がらないのか、現行の布オムツの認知度、布オムツの使用頻度とオムツはずれの早さの関係性などを研究する。

3.仮説

現状把握により、布オムツの使用率・認知度はともに低く、今後も下降傾向になると考えられる。また、オムツがはずれるまでの年齢が高くなっている傾向にある。そこで、私たちは布オムツを使用するメリットに着目して以下の仮説を立てる。
仮説 1:昔と比べてデザインの種類が増え、オムツ交換の作業も簡単になっているなど各メーカーが提供している布オムツを知ってもらうことで、家庭でも布オムツを使用したいと思う保護者が増えるのではないか。
仮説 2:布オムツを使用することによって愛着形成の場が増えることを伝えることで、保護者の布オムツへの関心が高まるのではないか。

4.調査方法

研 究 対 象:園で布オムツを使用している子どもの保護者実 施 場 所:埼玉県の A 保育園
実 施 内 容:アンケート調査
アンケート内容:布オムツに対しての意識・知識の調査

5.分析結果

・A 保育園 27 人の保護者を対象としたアンケートの内容は以下の通りである。
質問 1、「保育園を選ぶうえで、布オムツを使用している点を考慮にいれていましたか。」という質問に対しての回答は(図 1)に示す。

質問 2、「家庭でも布オムツを使用していますか。」という質問に対しての回答は(図 2)に示す。

質問 3、「(図 3)のような高機能で見た目もかわいい布オムツが増えてきていますが、知っていますか。」という質問に対しての回答は(図 4)に示す。

質問 4、「紙オムツと比べて布オムツは、オムツ被れしにくい、長持ちする、オムツが早く外れやすい、親子のコミュニケーションが増える、ごみが出ない、など様々な利点が挙げられます。私たちは布オムツによる効果が大きいと考えています。今後、機会があれば使用してみたいと思いますか。」という質問に対しての回答は(図 5)に示す。

6.考察

・質問 1 の回答から、保育園を選ぶにあたり、布オムツの使用を考慮している人が全体の 85%という結果が得られた。このことから、保護者が布オムツの使用に対して関心を持っていることがわかる。保育園側としても布オムツの使用を保育園の特色として挙げている場合もあると考えられる。
・質問 2 の回答から、家庭で布オムツを使用している人はいないという結果が得られた。保護者からの意見として以下のものが得られた。

・布オムツは洗濯が大変。使い捨てでないので外出時には使いづらい。漏れてしまうのではと不安になる。面倒くさい。時間がない。
・周りに布オムツを使用している人がいない。
・負担が少ない紙オムツを選んだ。選択肢の中に布オムツはなかった。


・質問 3 の回答から、近年の布オムツの品質向上や製品の情報が保護者の目に留まる機会が少なくなっていることがわかる。
・質問 4 の回答から、全体の 70%が興味を持っていることがわかる。また、その半数以上が実際に取り組もうとは考えないという結果になった。しかし、質問 1 の回答と合わせて考えると保護者の関心が高いことがわかる。

7.まとめ

今回実施したアンケートから、保護者は布オムツに対する興味はあるが日々の忙しさや不便さから、実際に使用する保護者は少なく、布オムツの商品に関する認知度も低いとわかる。今回の私たちのアンケートを通じて布オムツへの興味を少しでも持つことのきっかけになればと考える。
近年、子育てをする上での環境整備(補助金制度・保育施設の増加など)や子育てを助ける商品(紙オムツの品質向上・離乳食のレトルト化など)が充実しつつある。また、海外ではごみ問題や埋立地不足の問題などが深刻化しており、布オムツを使う家庭に補助金を支給している国がある。(参考文献 4より)しかし、子育ての利便性を突き詰めるあまり親子のコミュニケーションの場が少なくなってしまうことがある。私たち保育者は不便さだけを取り上げるのではなく、専門的な考えと広い視野を持って保護者の支援に取り組んでいかなければならない。

8.参考文献

1.「よくわかる子どもの保健」 第 2 版 竹内義博・大矢紀照 編
2.ベビータウン URL(http://www.babytown.jp/index.html)
3.おむつ比較ナビ
URL(http://life.pintoru.com/diapers/diapers-brand-popularity-index/)
4.なんで今どき布オムツ? URL(http://www.n-nunoomuts.com/)

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