勤務時の服装とモチベーションや仕事への意識との関係性について

年度 2016
学科 介護福祉士科

1. はじめに

私たちは学校の授業で着るユニフォームの改善の提案や、実習などで様々な施設のユニフォームを見るなかで、介護職の服装がモチベーションに与える影響に興味を持った。なぜなら私たち自身の実感として、ユニフォームを着ることによって気持ちの ON と OFF をつけることが出来たり、おしゃれなユニフォームを着ることで気持ちが前向きになったりするため、ユニフォームはモチベーションや仕事に対する意識にも影響するのではないかと考えたからである。そこで、他の学生や現場職員の方々は、どのように考えているのかを知りたいと思い、研究を開始した。

2. 現状把握

介護福祉士科(昼間部)全学年計 93 名、介護福祉士科(夜間部)Ⅱ部 2,3 年生計 30 名に介護職のユニフォームについてどのように考えているかアンケート調査を実施した。

上記の通り、介護福祉士科(昼間部)の学生は、76%が「とても影響する・少し影響する」と答えている。その反面、介護福祉士科Ⅱ部(夜間部)の学生については、「どちらかといえば影響しない・影響しない」と答えた学生が 70%を占め、介護福祉士科の学生の結果とは逆になった。その要因の一つに、介護福祉士科Ⅱ部の学生の多くは昼間に様々な介護現場で働いているので、働く現場の服装によってユニフォーム対する考え方が異なるのではないかという疑問を持った。

3. 仮説

勤務時の服装の形態によって、「服装がモチベーションに影響する」と考える度合いが異なるのではないか。

4. 研究方法

事業所のタイプによって異なるコンセプトで介護付有料老人ホームを運営している大手介護事 業者に協力を得て、現場で働く介護職員を対象に、服装とモチベーションに関するアンケートを実施した。

1) 対 象 者:大手介護事業者が運営している 3 コンセプトの 5 ホームの介護職員 計 54 名
2) 実施期間:2016 年 11 月上旬
3) 手 続 き:
①服装とモチベーションの関係性について調査するアンケートを実施。
②アンケート結果を集計し、服装によって意識に差があるかどうかについて分析。

5. 研究結果

A・B・Cコンセプトの施設ごとにアンケート結果をまとめたところ、以下のような結果となった。

<自由記述の回答>
コンセプトAのホーム(紺とブルーを基調としたデザイン性の高いユニフォーム)
●施設でも日常のサービスの中でラフすぎる服装もお勧めできない
●日常を大切にするなら私服+エプロンも施設感を出さなくていい

コンセプトBのホーム(白のポロシャツ)
●モチベーションと服装は関係ない。
●自分の気持ち次第。自分の仕事にあまり気持ち的な影響はしない

コンセプトCのホーム(自分で用意する私服とエプロン)
●自分の動きやすいものがいい。
●お客様を相手に働く上で清潔感は必要。それが安心・信頼感につながると思う。
●自分で準備しなくてもいいようにユニフォームのほうがいいかなと思っている。
●私服ではバラつきがある。半年に1度新しくする人と2年に1度新しくする人もいる。
●職員から見てご入居者から見たのでは時には違ったイメージを持つ場合もある。

服装がモチベーションに影響するかどうかについては(図 3)、ユニフォームを取り入れているコンセプトA,Bのホームの職員については、「影響する」と答えた人が多かった。しかし、コンセ プトCのホームについては、ほかのコンセプトと比べると「影響しない」と答えた人が多かった。次に、今の勤務時の服装でモチベーションが上がるかについて(図 4)、図 3 の質問で「影響する」と答えた人に聞いたところ、コンセプトAのみ「はい」が半数以上を占め、その他は「いいえ」の割合がやや多かった。さらに、勤務時はどのような服装がいいかを聞いたところ(図 5)、どのコンセプトもユニフォームでの勤務がよいという回答が多かった。

6. 考察

今回の調査対象施設に関しては、勤務時の服装がユニフォームの施設職員は「服装がモチベーションに影響する」ととらえていることがわかった。しかし、勤務時の服装が私服の場合、服装が自身のモチベーションに影響しなくても、「お客様を相手に働く上で清潔感は必要それが安心・信頼感につながると思う」という意見や、「自分の動きやすいものがいい」という意見などから、勤務時の服装は仕事に対する意識に影響すると考えている人が多いことがわかった。
また、勤務時の服装は何がいいかを聞いたところ、私服+エプロンで働く職員も、ユニフォームがよいという意見が多かった。これについては、服の準備や管理がしやすいこと、勤務に対する意識の差が服装に表れることなどが理由として考えられる。

7. 結論

今回の研究結果から、勤務時の服装がユニフォームの施設職員は、「服装がモチベーションに影響する」ととらえている人が比較的多いことがわかった。一方で、ユニフォームを導入していない施設の職員も、勤務時の服装は「モチベーションに影響はしない」ととらえつつも、仕事に対する意識や考え方が現れるものととらえ、準備や管理のしやすさや、利用者から見た印象などの面からは、ユニフォームを望んでいる人が多いということがわかった。
勤務の服装は、施設やホームの特色・雰囲気を表すだけでなく、自ずと介護職の仕事に対する意識を表すものになる。その点で、職員の服装をある程度統一したほうが、仕事に対する意識や考え方は統一されると考えられる。また、私服で勤務する場合も、「家庭的な雰囲気で、日常生活の延長として過ごしていただくため」など、あえて私服で勤務することの意義を共有し、それをふまえて自身の服装に意識を向ける必要があると考えられる。
私たちも就職後は、利用者や利用者のご家族などから見られているという意識を持ち、自身の勤務時の服装に気を配っていきたい。

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