実習に関する不安の軽減のために

年度 2016
学科 社会福祉士科

1.はじめに

私たちメンバー5 名は実習前に職員や利用者とうまく関われるかどうかという不安が共通してあった。その様な思いを後輩たちも抱えているのではないかと考えた。その不安を少しでも軽減して実習に望むには、他者(先輩)からのアドバイスがあったら実習のイメージが湧き、前向きに臨むことが出来るのではないかと考え、研究することにした。

2.現状把握

1ヶ月実習を間近に控えた社会福祉士科2年生31人に実習の不安度についてのアンケートを取った。その結果、「不安」と回答した人が17人、「やや不安」と回答した人が8人、「普通」が3 人、「あまり不安ではない」と回答した人が1人、「不安がない」と回答した人が2人だった。

「どのような所が不安ですか」という質問では、利用者とどのように関わったら良いかが分からない、日誌の目標設定をどのようにしたらよいか、モチベーションを保つにはどうしたら良いかなどの回答があった。また、宿泊実習の人からは持っていったほうが良い物は何かなどの回答があった。

3.問題提起

社会福祉士科2年生から取ったアンケートで実習に対して「不安」を感じている人が多い。

4.仮説

実習を経験した同じ立場の人からのアドバイスがあれば、不安が軽くなり、安心して実習にのぞむことが出来る。

5.研究方法

私たちは、社会福祉科 2 年生の実習前教育の時間を借り、実習の不安を軽減するための授業(グループワーク)をさせて貰うことになった。
<授業実施までの課程>
① 授業するにあたってのコマシラバス・事前アンケート・授業企画書の作成を行った。事前に2年生に「先輩たちにどんなアドバイスをもらいたいか」というアンケートを取った。それをもとにこんな受け答えができるのではないかとグループメンバーで考えシートにまとめた。
② 2 年生に授業を行う前の、8 月 19 日にリハーサルを行った。その際にクラスメイト(社会福祉士科 3 年生)に協力してもらい、聞き手役になって貰った。
③ 2 年生の実習種別ごとのグループ分け(障がい・高齢・宿泊)の 3 種別に分けて、そこから何グループかに別れる。そして、3 年生が各グループに1~2名入り、2年生の質問に対してアドバイスを行う。
<実際の授業の流れ>
① 自己紹介と研究の趣旨説明
② 事前にとったアンケート結果の報告
③ 授業の流れの説明
④ グループワークを行う(授業開始)
⑤ グループワークの発表とまとめ
⑥ 事後アンケートの実施
⑦ あいさつ(協力してもらったお礼など)

6.研究結果

①8 月 24 日(14 時 50 分~16 時(3 限時)、参加者 2 年生 32 人、3 年生 15 人)に行ったグループワーク終了時に不安が軽減されたかという事後アンケートを取った。その結果、「はい」と回答した方が 32 人、「いいえ」と回答した方が 0 だった。また、具体的に、どのように軽減されたのかについて「事前に自分が行く実習先に先輩が行っていたので利用者や職員の様子が知ることができた。」、「特養の利用者との関わり方について詳しく聞かせてもらった。」「アセスメントでどのようなことを聞くかが理解できた。」、「日誌をどのように書けばよいか分からなかったが先輩からアドバイスをもらい、具体的にどんなことを書けばよいかが分かった。」などの感想をもらった。

②2 年生の実習後にもグループワークが役に立ったかというアンケートを行った。

「3 年生からのアドバイスを実習中に思い出したか?」という質問に対しては(32 人中)、「はい」と回答した方が 9 人、「いいえ」と回答した人が 23 人で、思い出さなかった人がほぼ過半数を占めていることが分かった。「3 年生のアドバイスで実習中の不安が軽減されましたか?」という質問では、「はい」と回答した人が 17 人、「いいえ」と回答した人が 15 人だった。その結果、実習中の不安が軽減されている人は半数以上いた。また、「今後、実習前教育で先輩からのアドバイスがもら えるといいと思いますか?」という質問では、「はい」と回答した人が 25 人、「いいえ」と回答した人が 7 人でほぼ過半数の人がこのような機会があると良いと思っていることが分かった。実習中に思い出さなかった人がほぼ過半数を占めていたが、不安が軽減されたことが分かった。
また、後日社会福祉士科 2 年生 7 名に協力してもらい、より深く「実習中にアドバイスは思い出さなかったけれども、不安は軽減している」ということを知りたくインタビューを行った。
【軽減された人】
・以前に先輩方が行っていた場所だったけど、どんなことをしたら良いか分からなかったので、アドバイスを受けて少し自身がついた気がした。
・日誌などの書く目安について分かった気がした。
・いろいろアドバイスを受けて参考になった部分もあった。
・最初は施設について怖いイメージだったけど、アドバイスで自信を持てるようになった。
【軽減されなかった人】
・1 年生の時に経験済みだったのであまり参考にならなかった。
・実習が始まったらアドバイスが役に立たなかった。
・3 年生に「何が聞きたい?」と言われても分からなかった。
・同じ実習先だった先輩に話を聞きたかった。

7.考察

実際は、授業(グループワーク)で先生が話したような内容になった部分もあった。
また、実習中に 3 年生のアドバイスを思い出さなかった人が多い原因としては、実習を終えた2 年生のインタビューから「巡回に来た先生のアドバイスの方が強かった。」や「同じ実習先の先輩の話を聞きたかった。」という回答があった。これらのことが実習中にアドバイスを思い出さなかった要因として考えられる。そこから記憶に残り、なおかつ形に残るものを作れば、実習中に 3 年生のアドバイスを思い出す人が多く、不安の軽減にも繋がったのではないかと思った。

8.まとめ

今回の研究では私たちは、グループワークを 1 回しか行うことができなかったが、その 1 回でさまざまなことを学べた。その中で日頃から先輩と後輩が交流できる機会があれば、気軽に相談できるのではないかと思った。
よって、本来の研究テーマによる実習の不安は軽減され、結果として「今後このような機会があるとよい」という声が多かったため、今回の研究ように 1 回限りで終わりではなく、今後も継続していけるように先生方に提案していきたいと考える。

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