浴時におけるタッチケア実施のタイミングによる睡眠の変化の検証

年度 2015
学科 介護福祉士科

1.はじめに

睡眠は生物の三大欲求の一つであり、生きていく上で必要不可欠なものである。 その睡眠が不足すると人は身体や精神を病んでしまうことが多いとわかっている。
しかし高齢者のほとんどが不眠に悩み、身体や精神を病んでしまっている方が多数いるというのが現状である。
私たちは今まで4回の実習を終えてきた。その中で特に感じた事は昼間傾眠されている方が多く、活気がないという印象だった。職員の方になぜ昼間傾眠されている方が多いのか尋ねると、多くが不眠であることが分かった。
先行研究の結果、元々高齢者に不眠が多いこと、入浴と睡眠に関係があること、施設での入浴を楽しみにしている高齢者が多いこと、タッチケアでの睡眠効果、特にタッチケアの中で、足を中心に行うフットケアは効果が高いとされるという事は分かっている。
しかし、なぜ不眠が減らないのだろうか。なにかそこに理由があるのではないか、改善することでより良い生活に繋がるのではないかと思い、この研究に取り組もうと思った。 しかし、入浴中に行うフットタッチケアと、入浴後に行うフットケアではどちらがより睡眠効果が高いのか分からなかった。
そのため、私たちは不眠で悩む高齢者に良質な睡眠が取れるように、入浴時にフットケアを行い、入浴中と入浴後のフットケアどちらの睡眠効果が高いのか研究することにした。

2.現状把握

不眠は高齢者に多いため対象者を不眠に悩む高齢者にした。
安眠効果をもたらすとされているタッチケアを調べたところ、フットタッチケアが有効であるという結果が得られた。そこで私たちはフットタッチケアを入浴中と入浴後に実施し、睡眠の変化を知ることで、フットタッチケアという介護技術の介入が生活の質の改善に繋がるのではないかと考えた。
① インターネットでフットタッチケアが睡眠に与える影響の先行研究を調べる。
② 施設に入所している利用者の方の睡眠、入浴状態を調べる。
③ 中途覚醒に悩む利用者に対し、フットタッチケアを実施し睡眠に与える影響を調べる。

3.仮説

入浴中と入浴後のフットタッチケアを用いることにより、利用者の睡眠の改善が図れるのではないかと考えた。

4.研究方法

<実施期間> 平成 27 年 6 月 24 日~平成 27 年 8 月 5 日
<実施施設> M 施設(介護老人保健施設)・N 施設(特別養護老人ホーム)
<研究員> M の祖母
<検証方法> アンケート・実施
入浴中・入浴後のフットタッチケア(下腿部)を5分間行う
<倫理的配慮>
プライバシー保護を行う。
個人の尊厳を守る。
収集した情報が外部に漏れないように配慮する。
研究対象者が特定されないように施設名称、利用者氏名は匿名にする。
利用者本人への説明と同意を行う。

5.研究結果

6.考察

今回フットタッチケアを実施したが思ったほど、フットタッチケアのタイミングによる効果の大きな違いは見られなかった。
原因としては、対象者の認知力の低下や実施期間の短さによるものだと考えられる。 しかし実施結果によるとわずかに入浴後のフットタッチケアのほうで効果が見られたため、長く続けていけばいずれ効果を見せるのではないかと考えた。
理由として入浴後の方に効果が少し見られたのは、入浴後のフットタッチケアの方が、決行がより促進しやすく血流の低下も防げるため、入浴後のフットタッチケアの方に効果が現れたと考えられる。

7.まとめ

今回入浴のタイミングによるフットタッチケアの検証は、わずかではあるが入浴後のフットタッチケアの方が睡眠に効果があることが実証された。
だが実施して分かった事はこれだけではなく、フットタッチケアを行っている時、対象者は身体が温まりリラックスしている事と、一対一で対話していることにより、普段はあまり話すことの無い現在の不安や不満、今まで聞いたことの無かった対象者の生活歴などを聞くことが多くありました。
入浴後のフットタッチケアにより不眠に対しての睡眠効果のみではなく、対象者と密接に関わることで信頼関係が生まれ、コミュニケーションの幅を広げることができた。 この学びを生かして私たちが就職した先でもしフットタッチケアを行えるのならば行 い、不眠に悩む高齢者の力になりたい。

8.参考文献

http://trendnewsl.com/biyou/daiet/14670/
http://www.tainaidokei.jp/seniorcitizens/indicator12_2.html

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